静岡県のソウルフードといえば「静岡おでん」と「すこやか」だ。極度に、そして無性に食べたくなったので静岡行きのひかりに乗り込んだ。もちろん思う存分お酒を楽しむべく宿泊付きだ。今回は静岡おでんに一点集中の旅へ出かけることにした。
酔い覚まし必須のこの旅。家を出る前にボトルに温かいお茶を入れて出発。ひかりに乗り込むと同時にパソコンとにらめっこして残務を鬼のような早さで終わらせる。夕方に静岡駅に到着したらその足でおでん街へ早足で向かう。おでん屋さんがずらりと並ぶ小道に足を踏み入れ、まずは直感で一件目を選び扉を引いて席に着く。
カウンター10席程度のお店は、僕が入ってちょうど満員。席に着いたもののどうしていいか分からないでいると、お客さんがビンビールはセルフで冷蔵庫から取り出して飲む方式というのを教えてくれた。僕もそれに習ってビールを取り出して栓を抜き、まずは一杯流し込む。少し落ち着いたところで注文を試みるも、何を頼んでいいのかわからないので「おすすめのおでんは何ですか?」と聞くと、「全部」と短い単語で帰ってくる。
この一見“冷たい”感じに飲み込まれちゃいけないのだ。静岡おでんの特徴は、具材もさることながら黒いスープからニョキニョキ串の持ち手が伸びているスタイルなので、中身がよくわからない。周りのお皿を見回して旨そうな物をいくつか注文し、出てきたおでんに静岡おでんの肝とも言える出汁粉などを奥行きが狭いカウンターから取ってふりかけ、湯気が立ちのぼるおでんを口にほおばる。そして熱々のおでんを冷ますために一気にビールを流し込んだ。
「プハ〜!」体の奥まで染み渡るうま味。その後はお酒を熱燗に変えておでんと日本酒のハーモニーを楽しみ、腹三分目程度で次のお店へ。次のお店は直感にほろ酔い気分を掛け合わせて適当に選んでお店の中へ。今度のお店はつくり置きの料理がずらりと並び、その旨そうな景色越しにおじさんがひとりで切り盛りしている。僕はお店のおじさんに聴きながら適当に頼み、蔵出し焼酎をすすり始めた。
3件目は、もはや静岡おでんの枠を越えて、お店の人が教えてくれた「モツカレー」なるものがある飲み屋にちょっとふらつく足取りで移動。お店がお店を繋いでくれる酒場旅。期待を込めてお店に入った。
今回の3件の中では一番大箱(といっても普通の居酒屋程度)に入って席に着き、モツカレーとオススメの焼き鳥で一杯。そしてもう一杯…。オススメされたモツカレーは、下ゆでした串刺しのモツにカレーをかけたもので、僕がイメージしたモツカレー“ライス”からは良い意味で裏切られた。イメージとのポジティブな誤差は空いた杯を何回も埋めることになりました。内蔵が大変なことになる前にお店を出たら、最後のお店の人がシメにオススメしてくれた「あみ焼き弁当」を買ってふらふらと宿へ。
あみ焼き弁当はあみ焼きした豚肉を敷き詰めたお弁当で、静岡人が愛するお弁当のひとつらしい。残念ながら夜食になる前に僕がベッドと一体化してしまったので朝食になった。
さて、次の息抜きはどこにしようかな?
(このコラムは2020年2月7日時点のものです。)
この記事へのコメント
おこめ
美味しそうですね
ぽんで
静岡おでん、初めて聞きました
ほな
静岡県と岡山県は住みやすい県の双璧です。いいところ。
ほな
全国のスローフードを教えてください。
ほな
もつカレーは面白い。
にゃんぱー
ごてあらポー、魚がし鮨もオススメ。
おかめ
ねこぶだしで、だし巻き玉子、作ってみました。凄く美味しい、お店屋さんみたい。明日も作ろう。
ほな
次回はさわやか お願いします。
ほな
さわやか ならわかる。
pon
あの~ 「すこやか」じゃなくて「さわやか」の事だと思います by 静岡県民
みっちー
ハンバーグ
ほな
すこやかとはなんじゃ。