ウチの店のドアの内側は、とても青いです。それは散々迷った末に決めた色で、調色してもらった塗料です。でも実際に塗ると色見本とは違って「ちょっと強かったかなぁ。」と感じる色合いで、思った以上に明るく見えました。とはいえオープンしたのは初夏と呼べる頃。これからやってくる真夏を思うと悪くない色でもありました。ところが夏のピークを過ぎ、秋の訪れを意識するようになると、その醸し出す夏の雰囲気が徐々に季節と合わなくなっていくのではないか…なんて少し気になり出しました。そんなモヤモヤを抱えたある日のこと、塗料の方から近寄ってきてくれる出来事がありました。
きっかけは第108話で紹介した常連客のAさん。しばらく前のこと、Aさんが仕事のミーティングをしたいと言って、取引先の方を連れて店にやって来ました。ミーティング後、たまたま話の流れでドアの色について話したところ、その会社では塗料も扱っていると言うではないですか。色見本も持っているというので拝見すると、アースカラーを基調とした多彩な色合いと質感にピンとくるものがありました。塗り方はあえて刷毛塗りをオススメしていて、そのワークショップまで開催されているとか!そこで翌週には申し込みをして、ウチの奥さんと受講してきました。
訪れたのは株式会社NENGO。不動産・建築事業の会社ですが、そこでPORTER’S PAINTS(ポーターズペイント)という塗料も取り扱っています。自然素材に馴染む色合いを豊富に揃え、質感にもこだわった表情のある塗料です。お洒落なオフィスの片側にワークショップルームがあり、中に入ると壁の様々な場所がその塗料で塗られていました。講師はW先生。塗料の跡がたくさん付いたエプロン姿がかっこいい、それでいて明るくキュートな女性です。まずはプロジェクターを使って、塗料の説明と塗り方の解説から始まります。フムフム…。
次に下準備の解説と実践です。塗装は「下準備の良し悪し」が成功を左右する重要なポイント。模型を用いた解説の後、マスキングやマスカーを実際に行ってみます。こういうの、説明受けて分かったつもりになるけれど、実際やると上手く出来なかったりするんですよね。とても勉強になります。そしていよいよ塗装の実践。ワークショップの部屋の壁を実際に塗っていきます。ウチの店は塗装のほとんどを自分達で行いました。でも大半はローラーでした。ここでは塗料の質感を活かす刷毛塗りの方法をしっかりと伝授して頂きました!これも見るのとやるのでは大違いです。
ワークショップ終了後は個別相談で、色見本帳を見ながら検討したい塗料を3色ほど選びました。選んだ3色はA4サイズほどもある大きな色見本を貸し出して頂きました。これなら実際に塗りたい場所で見比べることが出来、助かります。また塗装場所に適した下塗りのことや、必要な道具などもリストアップしてもらいました。最後に塗料を調合している作業工房を拝見させて頂きました。変な話ですが、この工房内の塗料で汚れた何でもない壁とか床が、これまた凄いカッコいいんです!そこだけ切り出して移設したい感じ?(笑)
そして後日。大判の色見本を店のドアに当てながら、ウチの奥さんとあーでもない、こーでもないと検討をしました。すると不思議な感覚が湧きあがってきました。それまで変えたいと思っていたはずの“青”が、あらためて見るととても良く思えてくるのです。しかも全く想定していなかった店内の別の場所が気になり出し、そこに色見本を当ててみるとイイ感じに見えるじゃないですか(笑) いやはや、ポーターズペイントでの塗り替えは、果たしてどうなることやら…乞うご期待ということで!
この記事へのコメント
ほな
色調がいいですね。
ほな
やはり青はいいです。