今日は煮豆の話です。
「煮豆は好きですか?」という質問を日本人にしたら、約半数の方は甘すぎて苦手という返答ではないかと思うのです。それは私も同じで、なぜおかずの一つとして甘い豆が食卓に並ぶのか全くわかりませんでした。大人になり、世界には甘くない豆料理がたくさんあることを知り、それから豆って美味しいものだなぁと思えるようになりました。とはいえ、甘い豆には長いこと抵抗がありました。甘い煮豆食べるぐらいなら別のスイーツを食べたいしなぁと。
ところがこの冬、衝撃的に美味しい花豆の甘煮に出会いました。
これまで食べてきた豆の甘煮とは全く別物の煮豆でした。
「煮豆は好きですか?」という質問を日本人にしたら、約半数の方は甘すぎて苦手という返答ではないかと思うのです。それは私も同じで、なぜおかずの一つとして甘い豆が食卓に並ぶのか全くわかりませんでした。大人になり、世界には甘くない豆料理がたくさんあることを知り、それから豆って美味しいものだなぁと思えるようになりました。とはいえ、甘い豆には長いこと抵抗がありました。甘い煮豆食べるぐらいなら別のスイーツを食べたいしなぁと。
ところがこの冬、衝撃的に美味しい花豆の甘煮に出会いました。
これまで食べてきた豆の甘煮とは全く別物の煮豆でした。
想像を裏切る皮の柔らかさ、一口かめば滑らかな舌触りでしっとりしていて、程よく煮汁をまとい、上品な甘さはくどさのかけらもなくて、作りたての上質な上生菓子(和菓子)を食べているようでした。
その美味しさにもう1粒、もう1粒とついつい食べすぎてしまうのだけがとても悩ましく、あっという間になくなってしまうのです。(ああ、かなしい!)
作ってくれた勝美さんは、長野県栄村に在住で、ものすごくお料理上手な方。これまで幾度となく美味しいものを食べさせていただいてきましたが、この煮豆は別格すぎて思わず「勝美さん、これは国宝だね」と声が出てしまったほどでした。
国宝って大げさでもなんでもなくて、鍋の中の豆たちをきめ細やかに見て(=丁寧に観察して)、火を加減し、長い時間をかけて改良を繰り返してきたこの味わいは本当に国宝級と思えたのです。ご本人は大したことないとおっしゃるのですが、幾度となく作り続けてきた深い味わいは、私にとってはあまりに尊いものでした。
豆を含めた種は(タネのこれまでの境遇などを)記憶すると言いますが、味や料理方法は伝承しなければなくなってしまう無形の文化。受け継いでつないでいかなくてはならない味だと思いました。
煮豆に限らず日本の郷土料理は地味な姿、味わいゆえに、最近は華やかな見た目、わかりやすい味わいの海外の郷土料理に目を向けがちでしたが、やっぱり足元にものすごい宝が眠っているものなのですね。忘れてはならないそしてつないでゆきたいのは、脈々と受け継がれた自国の郷土の味でした。
さてさてその勝美さんの煮豆の作り方を聞き覚えたままにお伝えします。
材料は、今回は大きな大きな花豆、砂糖(砂糖は乾燥豆の8割程度)、塩適量です。
豆を含めた種は(タネのこれまでの境遇などを)記憶すると言いますが、味や料理方法は伝承しなければなくなってしまう無形の文化。受け継いでつないでいかなくてはならない味だと思いました。
煮豆に限らず日本の郷土料理は地味な姿、味わいゆえに、最近は華やかな見た目、わかりやすい味わいの海外の郷土料理に目を向けがちでしたが、やっぱり足元にものすごい宝が眠っているものなのですね。忘れてはならないそしてつないでゆきたいのは、脈々と受け継がれた自国の郷土の味でした。
さてさてその勝美さんの煮豆の作り方を聞き覚えたままにお伝えします。
材料は、今回は大きな大きな花豆、砂糖(砂糖は乾燥豆の8割程度)、塩適量です。
重曹などは使いません。
1) |
花豆はざっと洗い、水を入れて弱火にかけ沸騰直前で火を止めそのまま1晩おく。
|
2) | 水を替えて、弱火にかけ沸騰してきたら約10分ほど煮てお湯を捨て、水を替えて同様に再度茹でこぼす。(火力は絶対にグラグラはさせずに、とろ火が基本です。) |
3) | 水を替えて弱火でゆっくり煮崩れる直前まで茹で、砂糖の半量を入れてそのまましっかり冷ます。 |
4) | 残りの砂糖、塩を入れて弱火にかけ沸騰して2〜3分したら火を止め、そのまま冷ます。 |
はぁ、なんてことはないレシピに見えて、その行間では読みきれない細やかな心配りのなんと多いことよ。
他の小さなお豆でしたらここまでゆっくり煮含めなくてよい場合もあるようですが、大きい豆はとにかくとろ火でゆっくりゆっくり火を通すことがポイントなのだと。冬の豪雪地帯には鍋をかけられるストーブや薪ストーブがあります。わざわざガスコンロに鍋をかけずとも暖をとるためのストーブを2次活用してできる料理が煮豆以外にも沢山あるのです。
もし鍋がかけられるストーブはなくても、シャトルシェフが同様のとろ火を実現させてくれそうです。きっと!
こんな地味なテーマのコラムを最後まで読んでくださった皆さま、心より感謝申し上げます。あ、皆さまにはぜひこの国宝級のお豆を食べてもらえる日が来るといいなと願っております。
まずは私が上手に豆を煮られるように、精進します。
他の小さなお豆でしたらここまでゆっくり煮含めなくてよい場合もあるようですが、大きい豆はとにかくとろ火でゆっくりゆっくり火を通すことがポイントなのだと。冬の豪雪地帯には鍋をかけられるストーブや薪ストーブがあります。わざわざガスコンロに鍋をかけずとも暖をとるためのストーブを2次活用してできる料理が煮豆以外にも沢山あるのです。
もし鍋がかけられるストーブはなくても、シャトルシェフが同様のとろ火を実現させてくれそうです。きっと!
こんな地味なテーマのコラムを最後まで読んでくださった皆さま、心より感謝申し上げます。あ、皆さまにはぜひこの国宝級のお豆を食べてもらえる日が来るといいなと願っております。
まずは私が上手に豆を煮られるように、精進します。
この記事へのコメント
おこめ
美味しそうですね
ほな
日本食の代表料理です。御立派。
蓮池 陽子
コメントをくださったみなさまへ
蓮池でございます。この度、私からもコメントを返信できるようになりました。
お返事に少し時差はあるかもしれませんが、お返事をさせていただければと思います。
いつもお読みくださり、コメントをくださっているみなさまには感謝の気持ちでいっぱいです。
心より御礼申し上げます。
そして今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
とも
サーモスのジャーを使ってもう少し簡単に煮豆作れませんか?できたら教えて欲しいです.
たかっち
豆を上手く煮れるようになりたい!
かなべっち
花豆、とってもおいしいですよね。
母も煮豆の名人で、子どもの頃からよく食卓に上がっていました。お豆を炊く手間も、心遣いも、しっかりわかっている今では感謝しかありません。
私もまた煮豆にチャレンジしてみます♪
ぽんで
煮豆って普段食べないので興味深い内容の記事でした
おかめ
小さい頃、畑でとれた黒豆、ばあちゃんが作ってくれた煮豆、食べたくなった。
るろうにけんちゃん
いいね
だあきち
花豆懐かしいです~
温泉に行った家族のお土産でよく食べていました
はるちゃん
花豆の煮豆大好き
江戸っ子
花豆の甘煮 大きなお鍋でたくさん作って食べたいです。おやつにもデザートにも使えて、思う存分食べてみたいな~
くらげ
今日花豆買ってかえります!
ミキ
黒豆、以前煮た時に色が抜けてしまったのですーー。蓮池さんのレシピでまた挑戦してみようと思います!
ほな
豆にしわがない。上手な煮方です。
おひるだ
花豆の甘煮、とても美味しそうですね。私も子供の頃はあまり煮豆も好きではなかったのですが、当時はいつも食卓に並んでいたので、一粒二粒ほんの少しだけ食べていた記憶があります。それでも大人になるにつれ、段々と自然にいろいろな豆の美味しさ、味わいを楽しめるようになってきたように感じます。まだまだ祖母や母の煮豆と同じような味にはならないけれど、私も少しずつでも上手に作れるようになりたいなあ。
hirune
和のおいしさをとっても感じました