鉄道学校訪問(番外編)

  • 2017.07.26
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みなさんこんにちは、豊岡真澄です。
3回にわたってお送りした岩倉高等学校さまへの「鉄道学校訪問」いかがだったでしょうか。
今回は、どうしても収まりきらなかったお話を「番外編」としてお届けします。
番外編その1「パンタグラフってどうやって上がるの?」
電気機関車や電車の屋根についているパンタグラフ。
みなさんご存知ですよね。
どんな装置かというと・・・
・ 必ず屋根についている。
・ 車両はここから電気を取り込んで(集電)して、動く。
・ 大きく分けて菱形、交差型、シングルアームなどの種類がある。
ここまではスラスラ出てくるのですが、ひとつだけ謎がありました。

それは「電気が来ていないのに、どうしてパンタグラフが上昇できるのか?」 です。

降下している状態のパンタグラフ

実はずっと気になっていた「パンタ上げ」スイッチ
運転席に「パンタ上げ」スイッチがあるのは以前から知っていたのですが、押しているところを見たことは一度もありません。
よく考えてみると、パンタグラフが下がっている時は電気が来ていないので、その仕組みがずっと私の中で謎のままだったのです。

そこで、大日方先生に「長年の謎」をお尋ねしたところ、教材を使って分かりやすく説明してくださいました。

大日方: パンタグラフはもともとバネ式で、最初から自立する仕組みになっています。
たたまれた状態の時はパンタグラフにフックがかかっていますので、フックを外してバネの力で自立させます。

ボタンを押すことによって、このフックが外れます。
豊 岡: なるほど、フックで留まっているのですね。
大日方: ちなみに、パンタグラフを下げる時は、エアシリンダーに空気を送り込んでフックに引っ掛けます。
パンタ上げスイッチはバッテリー電源を使って遠隔操作でフックを外すためのスイッチです。
「ワンタッチ傘」がイメージに近いですね。
豊 岡: えええ!!
ワンタッチ傘???
大日方: バネの力で開いて、バネを縮めて収納。
そういう意味ではそっくりなのです。
豊 岡: 確かにワンタッチ傘ですね!!

※写真のパンタグラフは教材で、通電されていません。

おおお!バネの力で上がりました!!!
合理的でシンプルな構造にちょっとびっくり。
なるほど!
番外編その2「雪の日の運転」
ワクワクドキドキのシミュレーター体験。
実はこの日、雪が降った状態でも運転させていただきました。

シミュレーターで制動力が大きく低下することを体験。
大日方: それでは、運転条件を雪の日にセットします。
ブレーキ効かなくてびっくりするかもしれませんが、先ほどの運転と同じように操作してみてください。
豊 岡: 難易度高そうです。
大日方: 挑戦してみてください。
豊 岡: わー!
本当に停まらない!!!

なすすべもなく、12m 行き過ぎ。
 

レバー後進。
停止位置まで戻りました。
大日方: びっくりさせてごめんなさい。
同じ車両でも天候によって条件が大きく変わるのが電車運転の難しいところです。
シミュレーターは安全な状況で運行異常を経験するためにとても役立っています。
雨や雪の日の運転は本当に大変だと思いました。
安全を優先して速度を落としたり、制動距離を長くしたりするとどうしても列車は遅れてしまいますが、これは仕方ないですよね。

以上、こぼれ話でした。
次回もどうぞお楽しみに。


この記事へのコメント


ガチャピン

鐵道・軌道の従事者を養成する大学・大学院を設置すべきだと思います。


おこめ

楽しそうです


ライスマン

覚えても覚えても新しい車種が出るとアップデートしなければならないんですよね。


まこつ

長年の謎が解決して良かったですね(^_^)v

パンタグラフの上昇は、バネの力だけだと急激に上がりすぎるので、油圧で少しブレーキをかけながら上昇させていると聞いたことがあります。

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