第48話 僕にとってのサプライズ

  • 2018.01.22
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先月のある日、東京は神楽坂にある人気の古民家居酒屋で、『珈琲事典』制作メンバー~出版社の編集やライター、そして僕のような監修担当者~の集まる打ち上げがありました。一同に会したのは初めてでしたが、交流を深めるにはちょうど良い人数の会合でした。撮影や執筆時のエピソード、内緒の業界裏話などで盛り上がりましたが、僕にはやはり世界中のコーヒー農園を訪れている方の話が大変面白く、興味の尽きないものでした。
パートごとに各分野の専門家が監修しています。
コーヒーの世界は皆さんの目に触れることのない様々な仕事があります。コーヒーは輸入に頼る農産物ですから、現地の農園(→精製業者)→輸出業者→輸入商社→焙煎業者→飲食店や販売店、簡単に言ってもこれくらいはあり、更に細分化されます。
私物のドリップケトルで撮影に臨みました。
『珈琲事典』でも僕はドリップに関する章を担当しましたが、各国のコーヒー豆の特徴や品種といった“農園や輸出入業者が得意な情報”、コーヒーのアレンジやラテアートなど“飲食店が得意な情報”なども分かりやすく詳細に書かれており、こんな事を言うのもナンですが、実は僕でも勉強になることがたくさん掲載されています。これは裏を返せば、関わる人それぞれは自分の守備範囲外にあまり詳しくないということを表します。えっ、単に僕の勉強不足?それは棚上げして無かったことにしておきましょうか…(汗)。
コーヒーは皆さんの想像を遥かに超えた巨大マーケット=世界経済の歯車であり、人間の歴史の中で育まれた清濁併せ持つ「仕組み」です。余りに深過ぎるので、この世界は各専門分野を役割分担して支えている訳です。ですからコーヒー豆の目利きに長けている輸入業者が上手に焙煎出来る訳ではないし、美味しいコーヒー豆を栽培する農園主がハンドドリップに詳しい訳ではありません。お互いが見えにくいものでもあるのです。

農園主がどのような味わいの豆を作りだそうとしてどう栽培を行ったのか、その豆に込められた想いを、例えば焙煎士が深く理解し得るなら、焙煎のクオリティはより高いものになるでしょう。ただ残念ながら多くの焙煎業者はそこまで把握する術を持たず、現地を訪れたことがあってもコーディネーターの案内による集団訪問なので、農園主との深いコミュニケーションは難しいと思います。単独の自由行動で、現地の言葉を駆使し、直接農園主と交流を持てるような人はごく一握りです。
僕、焙煎は出来ても、ドーナツもカップも作れません…。
実は『珈琲事典』にはそんな稀な人物が登場します。焙煎に関するページを監修された、カフェテナンゴの栢沼(かやぬま)さんです。彼は単身現地に赴いて、直接農園との関係を築き上げてきた非常に稀有な存在の一人です。 以前彼が行ったコーヒーセミナーに参加したことがきっかけで知り合ったのですが、そのイケメンなルックスとは裏腹?のコーヒーオタクっぷりで(栢沼さんスイマセン!)、僕の中では雲の上の存在です。 今回の打上げではその栢沼さんと久しぶりに会えたので、そりゃもう大事件です(笑)
でも本当の事件?はその宴の帰り道に起きました。
カフェテナンゴのHPより。良く見ると既に僕の名前が。
駅に向かって歩く途中、彼が突然こう切り出したのです。
「毎月1回、コーヒーに関するインターネット配信の生放送セミナーをやっているのだけど、今度ゲスト出演してくれない?」

えっ!?いやいやいやいやいや!それは恐れ多くてヤバいでしょ!!ただ…嬉しさもあり「ワタクシでお役に立つのなら。」と答えて話は終わったのですが、その後改めて打診を頂きまして、なんと来る1月27日(土)21時~22時、ストリーミングの生放送セミナーへ出演することになりました。 テーマは「コーヒーレシピの作り方」(予定)。
ハンドドリップの考え方について、重箱の隅を突きまくる1時間です。 ちょっとマニアックな内容になりますが、良かったらご視聴を。 詳しくはカフェテナンゴのHPなどをご参照ください。
カフェテナンゴさんのサイト
http://www.cafetenango.jp/html/page191.html
※放送は終了いたしました※




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