人喰い岩の誘惑

  • 2019.01.11
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京丹後エリアの散策に行ってきました。僕が行ったのは山陰海岸ジオパークトレイルというロングトレイルで、鳥取県、兵庫県、京都府3つを貫く美しいルートがあり、今回はその一部の散策が目標だ。
天候は晴れ。風も少なく冬だというのに歩いていて実に気持ちが良い”当たり日”だったため、少しスピードを上げて歩くと汗ばみTシャツでも大丈夫なほどという素晴らしいコンディションは僕のハイク魂に火をつけてくれた。
トレイルのルートマップを見ていると、久美浜湾に隣接してあるかぶと山園地内に二度見してしまうほど魅力的な文字を発見。その名も「人喰い岩」というなんともおどろおどろしい名前で、想像力を文字面だけで気持ちが沸き立った。地元の方に人喰い岩に関する伝説がないか聞くと、詳しくはわからなかったものの昔木こりがこの山に入ると誰も帰ってこなかったなどという話があったそうだ。
かぶと山園地の全景。
ここで魅惑の「人喰い岩」を発見してしまった。
地図中のたぬきにも引かれたけど、
残念ながらトレイル上ではないので今回はあきらめることに
山のネーミングと物語というふたつがそろった。こうなると登らないわけにはいかないのが僕の性分。さっそく人食い岩に向けて出発した。工程にして片道およそ20分と短いものの、ずっといやらしい登りが続くので思いの外しんどい(運動不足の可能性も…)。
急な登りの地面はコンクリート製。
おかげで山登りモードが日常モードになって個人的にはいつもより疲れる気がした。
冬だというのに汗だく…。
これは運動不足か?天気のせいか?
人工的な階段は、土留めの役割があるため歩幅が狂う。

人工的に作られた階段を上り、アスファルトの坂道を少し進むとかぶと山園地の展望台が現れる。汗だくの体に心地よい冷たい風が体を冷やしてくれ、久美浜湾の美しい景色が待ち構えていた。京丹後の美しい地形を目で堪能した後はいよいよ目的の場所への道のりだ。
牡蠣の養殖、船場など、かぶと山からの展望は、この土地の暮らしが垣間見れる面白さがある。
展望台そばには小さな熊野神社がひっそりとたたずんでいた。地元密着感が高く、シンプルなのに空気感が変わるような気がするパワーを感じた。
「人喰い岩」というサウンドに加えこのフォントにノックアウト。
否が応でもモチベーションが上がる。
人喰い岩への志度トリップから急にトレイルのニュアンスが変わった。

アスファルトの道を少し戻るとすぐに人喰い岩へのサイドトリップが始まる。道は急に悪くなり”ひとくいいわ”というサウンドも相まってなんだかおどろおどろしい。目的地までのプロローグとしては最高の演出だ。バランスを取りながら岩だらけの足場を数分超えると眼下に広い景色が広がるポイントに到着した。人喰い岩の頭だ。徒歩時間は短いものの、地形的に断崖絶壁感がとてつもなく高いので足がすくむ…。
人喰い岩の頭から見た景色はさすがに足がすくむ…。
”なんとかは高いところが好き”という言葉がぴったり当てはまる僕は、ひとまず一番高いところで写真をパチリ。その後は狭い岩場で手早くティータイムを楽しんで下山に入る。どんな山の頂上でも同じだ。至福の時間はすぐに終わり、下山が始まってしまう。まだいた気持ちが心の片隅に残るが、その腹七分目具合がちょうどいい。
もういい年なのに、どうしても危険な場所ではパチリとシャッターを切りたくなるのはもう卒業できないだろうな。
人食い岩の誘惑に誘われるがまま進んだ道を、ちょっとした達成感が後押ししてくれた体で一気に走って登山口へ戻る。そしてこの日の宿へ向かうものの、途中に肝心な忘れ物に気がついた。「人喰い岩」という名前が付いたその外観を見忘れてしまったのだ。まあ、いっか。これが僕らしい間の抜けた旅路なのだ。さて、次回はどこへ行こう?


この記事へのコメント


おこめ

圧巻ですね


ぽんで

この風景見たら誰でも行きたくなりますよ


tii913

圧巻です


とき

山陰はいいとこだわ。また行きないや。まっとーけんな。


みゆっきー

「ひとくいいわ」ドラクエに出てきそうなネーミングセンスです
きっと美しい景色に惹かれて近寄った旅人を奈落へ落とすのでしょうね
それにしても絶景!長谷部さんのスマイルはこっちまで達成感が伝わってきます!


ほな

「弁当忘れても傘忘れるな」の地域で快晴に恵まれましたね。日ごろの行いがいいのですね。


はるかぜ

人喰い岩とは、凄いネーミングですね。

しかし景観は最高!

さぞかし、モチベーションが上がった事でしょう

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