皆さま、お暑うございます。いつまでそんな挨拶が続くのやら。このコラムが公開された頃でも残暑は続いているのかな…ふぅ。やはり温暖化の影響なのでしょうか。前にも取り上げましたが、コーヒーの世界には『2050年問題』〜温暖化の影響で30年後にはコーヒー豆の生産量が今の半分になる〜という研究結果があります。今年の猛暑はそんなビターな未来が現実味を帯びてくる、あまり嬉しくない暑さです。そして嬉しくないと言えば、今年は何と言っても新型コロナウイルス。私達の暮らしは大きな変化を強いられ、歪な状況はしばらく続きそうな気配です。
僕も店への影響はもちろんですが、昨年までずっと続けてきたコーヒーセミナーをいつ再開するか、その機会を逸したままでした。そんなある日、店をよく利用してくれるお客様から、ぜひコーヒーセミナーを受けたいとの申し出を頂きました。でもオープンしてから初開催となるし、様々な配慮も必要となるため、実際にやりながら手探りのように対応する場面も出てくると思われました。今回はそんな“試運転”の状況を理解してくれた馴染みのお客様によって、初開催に漕ぎ着けることが出来ました。
内容は初心者向けのハンドドリップセミナーで、人数は最小限の2名です。普段ならドリップ中にお互いの手元がよく見えるよう席を繋げるのですが、今回は離したままです。そんな状況でも顔の知らない人ではないので、講義中の雰囲気作りがしやすくて助かります。粛々と進める中で、忘れていたポイントを思い出したり、初めて使う器材の影響にその時になって初めて気付いたりと、試運転ならではのこともありましたが、ほぼ予定通りに進めることが出来ました。もう、常連さまさまです!(笑)
そしてこのセミナー話を知った別の“常連さま”が、更にコーヒーに関心のある知り合いなどに宣伝してくれたことで、早速セミナー受講の希望者が現れ、翌週には2回目を開催することになりました!内容は初回同様、初心者向けのドリップセミナーで、人数も最小限の2名開催でした。今回の参加者は初めてお会いするお二人でしたが、とても感じの良いご夫婦で気持ち良く進めることが出来ました。初回、2回目ともに「次回のセミナーがあればまた参加したい!」と言って頂けたのはとても嬉しかったです。
初心者向けのハンドドリップセミナーでは、まず僕が解説をしながらドリップを行ったあと、参加者全員がドリップに挑戦して頂き、お互いのコーヒーの試飲をします。最後にコーヒーに関する様々なご質問にお応えしつつ、コーヒーの魅力にたっぷり浸って頂くという流れです。会の主旨や人数などでも内容は変わりますが、いつも僕が意識しているポイントがあります。それはナビゲートする感覚です。
コーヒーは淹れ方によって味わいを変化させることが出来ます。そして味の好みは人それぞれです。ある淹れ方で出来上がった味わいも、それが好みの人にとっては「正しい淹れ方」かもしれませんが、違う味が好みの人には正しい淹れ方とは言えません。パンチの効いた味を作りたいのに、軽やかな味を作る淹れ方をしていたら、その淹れ方も正しいとはいえません。つまり人の数だけ好みがあるのなら、「正しい淹れ方」も人の数だけあると思うのです。その人ごとに存在する好みの味。それに辿り着く道のりをナビゲートすることが僕の役目だと思うし、そんなつもりでコーヒーや皆さんと向き合っています。なんて書くと自分でハードル上げちゃっていますね(笑)
この記事へのコメント
ほな
コクと香りの世界です。
ほな
いい香りとコク。
ほな
コーヒーのいい匂いがしてくる。
Mia
軽やかな味わいやパンチの効いた味など、入れ方次第で味わいが変わるなんて知りませんでした!!
同じ粉のものでも、今度から入れ方を変えてみながら楽しんでみたいと思います。
さゆみらい
ハンドドリップは奥が深いのですね。
ほな
夏でもホットコーヒーだ。
ほな
コーヒーと茶堂の共通はほっと一息。
pon
コーヒーの「2050年問題」初耳でした。
気候変動がこれ以上激しくならないよう祈るばかりです。
ちょっと涼しいので今日は自分でも丁寧にドリップしてみます。
私もセミナー受けに行きたいな~