普段の生活の中で、相手の言っている言葉を聞き間違えることって誰にでもあると思います。でもそれが「撮ったのかよ!」と言っているのに「エーアイアイ」に聞こえたとしたら?これは、あるガラケーにインストールされていたシャッター音「撮ったのかよ!」が、人によって「エーアイアイ」に聞こえるというということで話題になった現象です。これまでテレビの情報番組でも何度か取り上げられ、ツイッターのトレンドワードでも上位に来たことがある言葉なので、ご存じの方も多いかもしれませんね。僕は最近お店の常連さんから教えてもらったばかりですが。
実際の音声は“エーアイアイ”で検索するといろいろ出てきますので、まだ聞いたことの無い方は誰かと一緒に試してみると面白いですよ。僕が常連さんから教えてもらった時は「撮ったのかよ!」に聞こえましたが、その本人は「エーアイアイにしか聞こえない」と言うので、ホントに驚きました。同様のケースは海外にもあるようで、とある音声の聞こえ方が「ヤーニー」と「ローレル」に分かれるとか。こんな風に「人によって違う言葉に聞き取る」現象は最近の僕の関心ワードです。というより、“聞き取ること”は以前から僕を悩ませてきた事のひとつです。
僕は何故か子音が聞き取りにくく、特に話し始める最初の子音(会話の最初の音)は聞き取りにくいです。「さ→S」や「は→H」などは結構微妙な時があって、聞き間違えると意味が全く変わってしまいます。「最高?廃校?」とかね。でも前後の文脈と口の動かし方で有る程度予測は出来るので、さすがに最高と廃校は間違えないかな。でも時間の1時(いちじ)と7時(しちじ)は文脈によっては微妙です。それ以前に、何か唐突に話を切り出された時は…残念ながら文脈からは読み取れず、「え?え?」と何度も聞き返すことになってしまいます。
一口に“聞き間違い”といっても、その理由・原因は多岐に及ぶと思います。感音性難聴という内耳がうまく機能しなくなる症状や、聴覚情報処理障害という脳の問題等々、他にもいろいろあるかと思います。僕は聴力検査をしても異常がみられないので、正直何なのか良く分かりません。耳鼻科の先生でも聴覚情報処理障害という言葉を知らない人も多いそうなので、セカンドオピニオンは良い選択肢かもしれませんね。ちなみに感音性難聴は年を重ねれば誰にでも起きることなので、実害のない聞き間違いは楽しむくらいの余裕が欲しいところです。
最近は夫婦の会話であまりに酷い聞き間違いに遭遇することも多いです。絵本作家の「五味太郎」と言ったら「コミット・ロウ」と聞こえたり(それ誰やねん?)、「えーそんな泣き虫だった?」と言ったら「平日の脇の下?」と伝わったり…。こうなるともう文脈も何もないです。大爆笑しているうち何の話だったかも分からなくなり、「まあいっか!」となって次の話題が始まるのですね。コミット・ロウと平日の脇の下は感動のあまりスマホにメモしていたのですが、こんな形で陽の目を浴びるとは思いませんでした。
一人でお店をやっていると、「聞き取りにくい」症状は切実な問題ではあるのですが、自分自身の反応を面白がれているうちはこれでいいかなという気もしています。ただ、聞き間違いの他にもうひとつ困ったことがあって、それは相手の声が小さいと周囲の騒音に掻き消されてしまって、何を言っているのか聞き取れないという現象です。これも聴力に異常は見られないので良く分かりませんが、とても繊細な事柄も孕んでいるので、また別の機会に…。
※症例の話など全て個人の感想です。僕は耳鼻科、脳神経科、心理学、言語学の専門家ではなく、ただのコーヒー屋です。かと言って、利き酒ならぬ利き珈琲でも利き間違えそうですけどね(笑)
この記事へのコメント
ほな
人生100年時代、勉強が必要です。