前回のコラムで取り上げたマキネッタ。イタリアでは広く普及するコーヒー器具で、家飲みコーヒーの定番です。コラムに書いたきっかけでもありますが、最近の僕はマキネッタのコーヒーを牛乳で割って“カフェラテ”として楽しんでいます。コーヒーの話題はつい淹れ方や豆の話になりがちですけれど、考えてみればカフェラテの半分以上は牛乳なので、その味わいも重要なはずです。ということで今回はスピンオフ企画(笑)として、様々な牛乳による飲み比べをしてみました!
取り上げた牛乳は次の5つです。
1.明治 「おいしい牛乳」
2.タカナシ 「低温殺菌牛乳」
3.小岩井 「低脂肪牛乳」
4.小岩井 「無脂肪牛乳」
5.日光霧降高原 大笹牧場 「ブラウンスイス牛乳」
飲用乳はその成分によって7種類に分けられ、“種類別名称”としてパッケージに表示されます。今回はそのうちの3種類で、一番の違いは脂肪分の割合です。生乳から脂肪分の一部を除いたものを“低脂肪乳”、ほとんどを取り除いたものを“無脂肪乳”と言います。小岩井の牛乳はそのまま商品名となっていますね。これら以外は全て“牛乳”という種類別名称のもので、一般に牛乳の多くがこれに当たります。それでは一つずつ味わいを見てみましょう!
1.明治「おいしい牛乳」の場合。
いわゆる普通の牛乳の代表として選びました。成分無調整と書かれてスーパーの店頭でたくさん販売しているものと同じ括りです。牛乳そのままの味わいは…当たり前ですがいつも通り(笑) カフェラテとしてもひとまずベンチマーク(基準)としての味わいということになります。
2.タカナシ「低温殺菌牛乳」の場合。
普通の牛乳との違いは、名前の通り低温で殺菌している点です。普通の牛乳は超高温瞬間殺菌と言って、130℃で2秒間殺菌ですが、これは63℃~65℃で30分間(秒じゃなく分!)殺菌する低温保持殺菌です。超高温殺菌より日持ちしないのですが、遮光パッケージを採用して品質保持にも努めています。味わいは…殺菌時の温度によるたんぱく質の変性が少なく、生乳本来の味わいで自然な甘味を感じます。カフェラテとしてもコクが増し、甘味の感触もそのままでした。
3&4.小岩井「低脂肪牛乳」「無脂肪牛乳」
いわゆるローファットやノンファットと呼ばれる牛乳で、ダイエット中の方や体脂肪率を管理している方にはお馴染みかもしれませんね。牛乳自体の味わいは…低脂肪の方は意外としっかりしていて、僅かに軽さを感じる程度です。無脂肪は更に軽く爽やかな印象。カフェラテとしては、牛乳そのままよりも違いを感じました。低脂肪→無脂肪と脂肪分が低くなるほど、コーヒーの香りや味わいが強く前へ出てきました。色もコーヒー色が強く、脂肪分がこれほどコーヒーの香味に影響があるとは思いませんでした。
5.日光霧降高原 大笹牧場 「ブラウンスイス牛乳」の場合。
これは何?と思われるかもしれませんね。国内約134万頭いる乳牛の99%はホルスタイン種(あの白黒のヤツ)ですが、僅か1%程度の少数は別の品種がいます。ジャージー種が約1万頭、更に少ないのがこの牛乳ブラウンスイス種で約1,000頭強です。ちょっと貴重ですね。その味わいは…乳脂肪分も無脂乳固形分も普通の牛乳より高く、濃厚なコクとほんのりとした甘味があります。カフェラテにするとその違いは更に顕著で、味わいのボディ感が強いです。さすがです。
同じカフェラテでも、用いる牛乳によって想像以上に味わいが変わりました。特に脂肪分とコーヒー味のせめぎ合いに気付いたのは収穫でした。まだ「特濃」などの成分調整乳(無調整じゃなく調整ね)や加工乳、ジャージー種などは未体験です。いつかそれらも飲み比べしてみたいなと思います。知識はググればいくらでも分かる世の中です。でも体験や経験があってこそ、その知識が本当に生きたものになると思うので。皆さんも牛乳に限らずいろいろな“違い”を体験・経験してみてはいかがでしょうか。
この記事へのコメント
ほな
牛乳で味が変わる 不思議です。
おかめ
普段飲んでいる牛乳が、こんなに違いが有るなんて、知らなかった。
デルフィニューム
牛乳によって違うんですね
ほな
繊細ですね。
ゆーだいすきかあさん
私もやってみたいです 色々と実験気分 ワクワクします✨
江戸っ子
なるほどね~ミルクの脂肪分に着目したことはなかったです。
ファイヤーキングのマグカップ私も欲しい!!
だあきち
カフェオレ、カフェラテ好きなので、とっても気になっていました。
牛乳を買う際に、参考にさせていただきます!