父が登山を趣味にしはじめて5年。ずっとやりたいと言われていたのに、忙しさにかまけて遠のいていた三世代登山の実現をしにいきました。
父は僕にとって、怒るとこの世の終わりのように怖くて、強くて、仕事でほとんど家にいない存在でした。それでいてその存在に憧れ、そしてたまに一緒に遊んでもらえることを心から楽しみにしていた記憶があります。
早朝熱海駅で父を拾い、車で登山口へ。車中の父はとても嬉しそうだけど、久しぶりにリアルで会う僕はなんとなくぎこちない。これは久しぶりのリアルのせいかな?ということにして、この空気感はそのままに車は山道を進んでいきます。
登山口で準備をしたら、さっそく登山出発。父がマイペースで先頭を歩き、そして娘がその後をついていく姿を、さらに僕が後ろから見ていると、おじいちゃんと孫の独特なあたたかい関係がありました。
「じいじはいつも山を登るの?」
「いつもではないかなあ」
「学校は楽しい?」
「まあまあかな」
「いつもではないかなあ」
「学校は楽しい?」
「まあまあかな」
お互いを探り合うような、それでいて微妙に噛み合っていないような会話が微笑ましくてなんともいえません。
今回登った玄岳は、三世代(+犬)で登るには最適の山で、遠すぎず、近すぎず、そして景色の変化もあって楽しい山です。それでいて父にも経験則があるため、先読みがしやすいのも選定の基準になりました。
半分程度進んだ頃に、ちょっと休憩。この日の天気は残念ながら曇りであまりぬけが良い景色は望めませんでしたが、地面に座ってお茶タイム。父親が奥様と娘にとバックパックからおやつをだしてくれます。
こんなに気が利く父親だったかな?と、僕の記憶にある父親の変化に驚く一コマを楽しめるのも三世代登山の面白さかもしれません。
最近の時事ネタ程度の会話だったのが、最近の自分達のことの共有になり、そして僕が小さい頃の昔話に話が変わる。そしてお昼ご飯を終えてみんなで集合写真を撮るころには会話の質が少し変化した気がします。
下山時は笑い声が響き、熱海駅に着いた頃には一緒に買い出しをして、僕の家に着いた頃には膜のようなものが取れて、いつもよりもなんだか楽しい宴会の時間になりました。
翌昼帰路へ向かう父親は少し寂しそうでしたが、これが久しぶりの距離感が近くなった結果かもしれません。せっかくなので、この勢いで今度またリアルで会って山を登り、そして一緒に酒を飲む約束をしました。
この“約束”が、僕が子どもの頃父と約束をした時とは何かが違う、とても大切なもののように感じたのは僕が大人になったからなのかな?
この“約束”が、僕が子どもの頃父と約束をした時とは何かが違う、とても大切なもののように感じたのは僕が大人になったからなのかな?
この登山では、スタート以外終始父は僕の後ろを歩いていました。なんだかこれがまた感慨深い配置でした。父親にはなるべく元気で長生きして欲しいなあ。三世代登山は、娘とおじいちゃんの関係があるので、僕が父親になったことも実感する2日間になりました。
この記事へのコメント
おこめ
すごいですね
りょう
三世代は凄い!!
ぽんで
3世代で語り継がれる山登り、本当に素晴らしい
ミキ
アウトドアな話、楽しみにしていまーす
だあきち
素敵なご家族ですね!
自分もおばあちゃんと山登りしたのを思い出しました!
ゆーだいすきかあさん
微妙な空気感が伝わってきました
現実はこうですねよ
素晴らしい思い出になりましたね
ほな
三世代同居をお勧めしたいです。人生100年時代に必須です。
ミキ
山頂カップラーメン、羨ましいですね
♪( ´θ`)
ミキ
登山といえば水分補給をハイペースでし過ぎて後半足りなくなることを思い出します(笑)3世代で登山なんて、すごく素敵!
江戸っ子
三世代登山 の後ろ姿が 世代を感じられて良い写真ですよね~
三脚で撮られたのかな?
山頂のカップラーメンが娘さんにとっても 三世代でいただく特別なごちそうになったのでは?