大阪府には、日本百低山には記載されず、さらに指定されている百低山の標高よりも遙かに低い山がたくさんあります。山といっても登山道をひた歩き頂上からの景色に息をのむ…という山ではなく、街中を歩くと登頂できる山です。“山”と名乗るわけですから、ちゃんと頂上の証拠の三角点もある場所も存在するとなると、僕は現地へ行かないわけにはいきません。
スタートは大阪港駅。まずはちょっと前まで日本で一番低い山「だった」天保山(標高4.53m)へ。ちなみに現在日本で一番低い山は、仙台にある日和山で、もともと標高6mだったのが、東日本大震災で削られて標高3mになったそうです。
駅から歩き始めてすぐに出会ったのが射的のお店。残念ながら朝だったのでまだ開いていませんでしたが、寄り道のしがいがある道に既に心が躍り出します。
天保山を通過したら、次の目的地は昭和山(標高33m)。ここは公園内にあって、朝の散歩を楽しむ方達の横をすり抜けて山頂を探します。「おお、兄ちゃん朝から公園の散歩か?健康的やなあ」なんておじさん達に声をかけられる感じもローカル旅の楽しさです。これから歩く予定の場所を話すと、美味しいお好み焼きとビールがあるから絶対に寄るように!というご指示をいただきました。
公園の良いところは給水ができること。既に飲み干したボトルに新たに水を補給して、次の目的地を目指します。
目指す聖天山(標高14m)に向かう途中、川を渡るのに渡し船に乗船。通学、買い物、通勤などなど、日常で活用されている渡し船です。毎回決まった時間に川を何往復もしてくれる渡し船に乗ると、少し大阪の日常に溶け込めたような気がしました。
聖天山は閑静な住宅街を抜けた先にある正圓寺の境内にあり、入り口では存在感があるお稲荷さんがお迎えしてくれました。一礼をして、お参りをさせていただいてからの山頂探し。ここにはチベット仏教のマニ車がありました。マニ車は一度回すとお経を1回読んだと同じ徳があると言われているもの。僕もしっかりと心を込めて回させて頂きました。
お寺の方に聞いてみると、こちらのお寺を含む仲間のお寺でネパール学校建設援助をされた際の友好のシンボルだそうです。思わぬ所でまたネパールに行きたくなってしまいました。そろそろ海外に出たいなあ…。
今回最後の目的地は茶臼山(標高26m)。昭和の香りが漂う道には大衆劇場があって、また少しローカルに足を踏み入れた様な気分になれてこころが踊ります。天王寺の大きなビル群を抜けて、都市公園の中を進むと現れるのが茶臼山。ここは昔、豊臣家と徳川家の合戦の舞台となった場所だそうで、設置されている様々な展示物を読みながら進むと頂上を示す三角点に到着しました。
登頂後は、昭和山でおじちゃん達に言われたお店に直行し、ご指示通りのメニューに生ビールで乾杯!お昼時に飲む生ビールは罪悪感がある分旨さもひとしおです。総距離約18kmのデイハイクはこれにて終了。
街と山と暮らしを一度に楽しめる大阪“超”低山ハイク。登りも下りもほとんどない。僕の中の山の定義が少し変わりました。まだまだ大阪にはたくさん超低山があるので、またチャンスをつくって行きたいな。みなさんも8月の山の日に登頂してみてはいかがでしょうか?
この記事へのコメント
ぽんで
面白い場所をよく見つけましたね
ほな
昔は船で旅行といえば、天保山港でした。さびれました。
だあきち
三角点があるって、公園にあっても山何ですね(^^)
ほな
懐かしい地域です。
江戸っ子
日本百低山には記載されていないのがもったいないぐらい 魅力がイッパイな登山通路でしたね~次回も楽しみです。
ほな
大阪の有名地の一つです、ここから別府行きの船で修学旅行でした。
ミキ
ランチめっちゃ美味しそう!
hirune
自分の知ってる小さな町でもやってみたくなりました