第156話美しき島々

2022.07.14
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コーヒーナビゲーター黒田悟志

6月下旬の事、3年ぶりに沖縄県の石垣島へ行って来ました。沖縄・八重山地方には毎年訪れていましたが、この2年はお店のオープンとコロナ禍が重なって身動きが取れなかった為、待ちに待った久しぶりの旅行でした。このコラムを長く楽しんで頂いている読者さんなら「また石垣島かぃ！」と思われるかもしれませんね笑。でも島には親しい友人達がいるし、この3年の間に小浜島という離島に在住の新たな知り合いも出来たので、そこを訪れたいという思いもありました。

いつも訪れる玉取崎展望台からの眺め。
初めての人はその光景に必ず声を上げる場所。

サーモスの保冷缶ホルダーは必須アイテム！この色は旧モデルですが…

小浜島は石垣島からフェリーで30分ほどの小さな島です。今は大きなリゾートホテルが２つあり、多くはその観光客かと思いますが、島そのものには変わらぬ暮らしと自然が残る、ある意味でとても豊かな所です。またNHK朝の連ドラ『ちゅらさん』の舞台となった事でも知られ、島内にはゆかりのある場所が今も残されています。そんな小浜島へ会いに行ったのは、イラストレーターのはんまけいこさん。ヤギとネコと暮らしながら、ご夫婦でCafe”ヤシの木”も営む素敵な女性です。知り合うきっかけは、以前コラムでご紹介した原宿のギャラリーでの個展でした。

石垣島の離島ターミナルから周辺の島々へフェリーが出ています。

幸せって、エメラルドグリーンの海の上を走っていくこと。

島に向かったその日は昼頃に別の予定があり、フェリーで小浜島に到着したのは午後3時過ぎでした。石垣島の友人Oさんの「まず港の前にある総合案内所でレンタサイクルを借りましょう！」という助言通りに向かうと、とても気の良いおばあ（おばあと呼ぶには若い方でしたが）が迎えてくれ、電動サイクルを借りました。おばあに教えてもらった通り走って行くと、”ヤシの木”はすぐに見つかりました。そして緑色のドアから黄色いワンピースを着たはんまけいこさんが出迎えてくれました。遂に来られた！

小浜島の港を出て右の方にある総合案内所。気の良いおばあと２ショット。

振り返るとこの光景。
小浜島はちょっとアップダウンあるので、電動サイクルがオススメ。

「ヤギに餌をやらなければいけないので、閉店は4時なんです。」との事だったので、30分ほどの滞在でしたが、お店を開業した頃の島の様子など興味深いお話を伺って、この地で歩んできた喜びや覚悟のようなものを少なからず感じたのでした。最終のフェリーが出るまではまだ時間があったので、けいこさんにヤギの居場所を教えてもらい、カフェを後にしました。集落を抜けた先で、すぐにヤギを見つけました。強烈な陽射しを避けるように草木の影で静かに、でもこの地で生きる者の佇まいを見せていました。

Cafeヤシの木のはんまけいこさん。遠く離島で暮らしていてもセンス良くお洒落でいる事が凄い！とウチの奥さん談。

ヤシの木の印象的なドアと看板。Since1983！来年で40周年って本当に凄い。

マダムすみれ。
その佇まいを拝むだけで、答えを授かったような気持ちになる。

フェリーの時間まで目一杯サイクリングしました。島の一番奥、細崎海岸では僅か1km先に西表島を望み、西大岳展望台ではほぼ島全体を見渡す光景に圧倒され、朝ドラの”こはぐら荘”は普通に人が暮らしている事に驚き、虹とアオスジアゲハの歓迎を受けました。短時間で駆け足ならぬ漕ぎ回ったひと時でしたが、ここは沖縄の島々に思い描いていた人々や自然の風景がしっかり息づいている場所でした。必ずや再訪したい魅力的な場所と人がまた増えてしまって、次の八重山訪問はいよいよ普通の旅行日程ではとても足りそうにないという”幸せな悩み”が一番の土産となりました。