第157話 ISHIGAKI WEEK

2022.07.28
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コーヒーナビゲーター黒田悟志

石垣島とその周辺を巡る旅を終え、またいつもの日常に戻りました。今回の旅を通じて、お店で使えそうなヒントをたくさん得たし、実際に食材などの仕入れもしてきました。そんな“収穫”はいろいろあったのですが、じゃあそれらを上手く活かすにはどうしたら良いか…。ずっと考えていたのですが、結論は単純でした。「“沖縄・八重山週間”的な企画をやろう！」笑。まあそうなりますよね。ひねりが無くてすいません。でもその時は分からなかったのですが、この流れは成るべくして成ったというか、満を持してのものでした。

川平湾。国の名勝、国立公園。ビーチは清らか。もちろん遊泳禁止。

まず「沖縄・八重山の“味わい”と“雰囲気”を楽しんでもらえたら」を基本に、出来る範囲で（←ここ重要）考えました。ベースとなるのはやはりメニューですよね。特に今回は奇跡的に手に入った食材がいくつかあるので、そこは是非アピールしたい所です。その一つが石垣島・請福酒造の泡盛「赤の請福」です。以前飲んだ時とても美味しかったので、今回必ず再購入しようと決めていました。ところが最近製造終了したようで、全然見つからず諦めていたのですが、帰る直前最後に立ち寄った店で偶然見つけ買うことが出来ました。

右の黄色いのが定番の請福、中央が赤い請福、左は請福ビンテージ。
どれもオススメ！

オリオンビールは小瓶を取り寄せました！
ロングタンブラーに注いでお出しします。

またその他にも泡盛各種やオリオンビールの小瓶を調達したり、石垣島産パイナップルを使ったスムージーなんかも用意して、ドリンクメニューはバッチリです。フードメニューはというと、こちらは何と言っても「カツオの塩辛」。これは石垣島ではなく隣の宮古・伊良部島のもの。当然石垣島では売ってなくて、帰りに立ち寄った沖縄本島の市場で、たまたま入荷していたタイミングに出くわして買えました。入手困難過ぎるので詳細は控えますが、これを冷奴に乗せて食べると泡盛と最高に合うんです。同じ市場でスクガラスの塩漬けも買ったので、おすすめは両方のハーフ＆ハーフですね。

左がカツオの塩辛。ハラガーと呼ばれる腹の肉を使っている所が美味しさの秘訣。
右はスクガラス。これは定番の珍味。

スクガラス豆腐。適当に盛り付けたので、魚の向きが逆と言えば逆。
まあテーゲーでいいさぁ〜♪

「味わい」が決まった所で、次は「雰囲気」。以前から自宅のリビングに飾ってあったオリオンビールの提灯を店内に下げ、何年も前に頂いたままの「請福」の暖簾も店内に飾ってみました。プライベートで持っていたオリオンビールのロングタンブラー。これはビールの提供で使うため、冷凍庫に入れて冷え冷えに。そして三線。ケースに入れたままずっと店の片隅に置きっぱなしだったのですが、遂に専用スタンドに立てて店のセンターに飾りました。陽が傾く頃BGMが沖縄民謡に変わると、いやっさ、ここはウチナー（沖縄）ねー♪

いつもは自宅リビングを飾るオリオン提灯。やっと日の目を見た暖簾と共に。

10年以上前に沖縄・国際通りの高良レコードで買った三線。
練習しないからあまり弾けない…。

これで準備万端整った訳ですが、そこでふと気付いたんです。食材こそ今回のためにいくつか用意しましたが、小物の類で新たに買ったものは一つも無く、全て個人所有していたものでした。今まではフードメニューのことを考えると何だか気が重く、苦手意識があったのですけど、沖縄絡みだとアレコレ思い浮かび、やってみたいことも出てきます。たまたま旅行の勢いで沖縄フェアみたいな話になりましたが、考えてみれば定番でサーターアンダギーやコーヒー泡盛がある店です。と言うことはこの企画自体、そもそも僕の“得意技”みたいなコトなのではなかろうか…、と。

ウチのサーターアンダギーはコーヒーに合う様にちょっと隠し味を入れています。

箸置きの珊瑚は、以前から奥さんがビーチで拾い集めていた我が家のストックを利用。

初めて沖縄を訪れたのは20歳くらいの夏でした。その後しばらく間は空きますが、時間とお金にゆとりが出来てからはほぼ毎年訪れています。おかげでウチナンチュ（現地の人）の友人も移住した友人も出来ました。でもご承知の通り、沖縄・八重山地方はその美しい自然と対をなすかのごとく、歴史の狭間で様々な苦悩や歪みを抱えた場所でもあります。なぜその様な地に魅力を感じているのか、自分では全く分かりません。ただはっきり言えるのは、この小さなお店で沖縄・八重山の魅力を「楽しいさー、美味しいさー」と感じてもらえたら「嬉しいさー」。はい、コーヒー屋ですが何か？笑