冬は夜と朝を楽しむのには最適な季節。暗くなるのは早いし、朝が来るのは遅いなんて、キャンプで夜更かしをするのに最適だと思いませんか?僕はこの素晴らしい季節を味わうために熊本県のキャンプ場に“別荘”を建てました。
今回の目的は、星空を堪能しつつ、小さな山の頂上から朝日が昇るのをゆっくりと眺めること。その他は何も求めない。キャンプは求めすぎると都会での生活と変わらなくなってしまう。シンプルな目的の方がゆっくりと自然を味わえるのだ。食事は簡単に、そしてスウェーデントーチがパチパチとはぜる音と色を楽しみながら星空味わい始めました。
星空の眺め方もシンプルな方がいい。シートを敷いて、ダウンジャケットを着込み、フードを頭までしっかりと被る。あとは甘い紅茶を飲みながら寝転ぶだけだ。時々寒風で顔が痛んできたら、手のひらの温度で解凍をして、またじっくりと星を眺める。
あれが何座とか、今回はそういったアカデミックなことは一切排除して、ただ黒いキャンバスに白い絵の具を染み込ませた筆を振ったように無数の星が広がる夜空を音が出るくらいボーッと眺める。日常は秒単位で暮らしている気がする僕は、この時だけは時々点滅したり流れていく星空を眺めるだけ。これこそ贅沢の極みなんだと身体が言っていた。
星空と戯れていたら、気付けばもう12時をまわっていた。僕はテントに潜り込み、フカフカの寝袋に足を入れて少しだけ単行本を読む。これが僕の睡眠導入装置となり、ウトウトしてきたら寝落ちする前に目覚ましをセットする。朝日が昇る時間を逆算して、ほんの少し仮眠しておかないとこの後の山登りが危険だ。そんなことを考えている途中に僕の脳はシャットダウンした。
まだ夜空に星が広がる空の下、ヘッドライトの明かりを頼りに身支度を調え、昨晩の残りの湯気たつ甘い紅茶をクッキーと一緒に流し込んだらレンタカーに鍵を挿してひねる。野生動物に注意しながら登山口に車を進めたらナイト登山開始。
ヘッドライトが前を照らすと、逆に周りは真っ暗になる。陰陽の境界線を僕が作っているようだ。足下と進む先をしっかりととらえながら夜行性動物のようにゆっくりと進む。明るい時間の登山道は歩きやすい道を選べば大丈夫だけど、夜の登山はちょっと違う。ヘッドライトの先に照らされる森の奥に続く道を自分で探さないといけないのだ。
足下がちょっとした岩場に変わり、そして自分の両側が森だったのが空に変わってくる。まもなく頂上に到着だ。こののこり数十分の登りはいつも高揚感がピークに達し始める。息切れも、足の疲れも、全てを後ろに置いていくように、なぜだかスピードが上がっていく。
360度闇夜の世界。無事に頂上に到着すると、まずは座り心地が良い石を探して腰掛ける。バックパックからダウンを引っ張り出して汗冷えを防いだら、熱々の甘い紅茶を少しずつズルズルとすすりながら朝日が昇るのを待ちます。
闇夜には満点の星で恐怖感を駆り立てるような表情はなく、うっすらと自分の周囲が分かる明るさがある。黒から紺色へ、紺色から赤へ、そして赤から黄色に変わり、青空になる。この色の変化は表現すると5色程度だけど、色と色の間にはまた無数の色が存在する…。これを見ているだけで、地球と空と宇宙が繋がっていることを五感で感じなおすことができる気がした。
ずっと見ていたいところだけど、身体の芯まで冷えてしまっては下山に影響が出てしまう。自然の神秘に後ろ髪引かれつつも、来た時と同じ道をゆっくりと進む。白い息は朝日と共に消えて、駐車場に着く頃にはダウンジャケットはいらないほどの明るい世界になっていた。
ここからやることはいたってシンプル。テントに潜り込んで仮眠をして、遅い朝食を食べて、あとは温かいお風呂に浸かるだけ。寒い夜の自然を味わったからこそ、このシンプルな行動もまた幸せなのだ!
僕には九州でまだやりたい山遊びがある。時間が足りない!とネガティブな息を吐きそうだけど、そこはおさえてまた自分で時間をつくらないとなあ。
この記事へのコメント
おこめ
素敵な写真ばかりですね!
りょう
山に登る醍醐味!!
ぽんで
この星空を見ると自然の偉大さがわかります
ほな
スウェ―デントーチを初めて知りました。
ほな
火をおこせない人が多いそうです。しかし登山をし、遭難する。
だあきち
スウェーデントーチ、大きい蝋燭みたいですね!
ワイルドでおしゃれ!
ほな
すごい別荘族だ。
ゆーだいすきかあさん
おおおおおおおおおおおおおお
いいですね==
ミキ
朝日とか最高ですね!
ミキ
スウェーデントーチ、初めて知りました!
hirune
ゆらぎ効果が気持ちよいですね