いやあ、ホントにいいモノ拝ませて頂きました!ナニがって、レースですよレース!…って、見たことあるような書き出しですが、本当にすごい展開を目の当たりにしてきました。先頃さいたま新都心で行われた自転車ロードレース、『ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム』。今回は夫婦で見に行ってきた、そのレポートです!
ツールの話はちょっと前のコラムでも触れましたね。『さいたまクリテリウム』はその年の本戦入賞者やチームの他、本物の運営スタッフも来日し、国内有力選手などと共に、さいたま新都心の道路に特設したコースで行われる、本場のエッセンス盛り沢山のイベントです。
とはいえ僕自身TVで見たことはあっても、生観戦は初めて。だから観戦場所はコース図を参考に、ゴール手前200mほどの、しかも道の反対側に狙いを定めていました。人は身体特性上、たとえプロであってもスプリント出来る距離は限られます。またその速度は70km/hにも達し、コース脇だと速過ぎて見えません(笑)そこで仕掛け所のゴール前で、視認性も良い場所にしようという作戦です。到着してみるとやはり正解!程良い観戦場所でした。
…1時間半くらい待ったでしょうか、先導車の後から選手達がスタート地点へとやってきました。およそ半数はツールを走った本物の選手たちです!おぉ、本物のエガン・ベルナル!トップチームの面々!そして僕のヒーロー、新城幸也選手の姿が!!号砲と共にいよいよスタートです!
レースは序盤から7名ほどの選手が抜けだし先頭集団を形成。そこに有力選手も含まれていたため、後方のメイン集団も徐々にスピードアップします。すると周回が進むにつれ、遅れる選手がチラホラと。国内大会で優勝したアマチュアライダーも大会枠で参戦していたのですが、世界トップの速度域は流しているように見えても普通じゃなかったようで。レース中盤、着いていけずに遅れた某選手が、偶然僕らの前に停車して「こんなん、アマチュアが出ていいレースじゃないって!○○○W(※1)で走り続けるとか有り得ないし!」と興奮気味に話してくれました。
終盤に入り先頭集団が吸収されると、なんと新城選手含む2名が飛び出します!ぐんぐん離れていく様子に、今度はツール優勝のベルナルと、もう一つのトップレース(※2)優勝のログリッチェが二人揃って追いかけ始めたのです。テニスで言ったら、シングルの錦織圭にナダルとジョコビッチがダブルス組んで挑む感じ?の有り得ない展開!これは追い付かれるかも(涙)と思っていたら、なんとラスト1周に入ると同時に、新城選手が単独スパートを仕掛けたのです!NO幸也!スパート早過ぎるって!マズイよ!という声は届くはずもなく、追い抜かれて戻ってくるのか…と諦めかけていると、と、と、、、エーッ!現れたのは、独走の新城選手!信じられない!凄過ぎる!今大会初の日本人ライダー優勝でした!
レース後、会場の出店ブースを見るため、コース沿いをぐるっと移動。途中、本物のツールのスタッフがいてそれだけで興奮です。閉店間際の飲食ブースでコエドビールを買い、新城選手の優勝に乾杯しました♪大勢の観客の声援、自転車のメカニカルノイズ、上空のヘリ、陽射し。一日を振り返りながら飲むビールは格別でした。
今はインターネットやVR技術によって、リアルな情報がすぐに手に入ります。でも実際に目の当たりにした“現実”には、本物だけが持つ圧倒的な空気感、オーラのようなものがあって、それこそが単なる情報を超えて、深い感動や知見を与えてくれるのだと思いました。事実、データ上は新城選手より身体レベルが高い選手は他に何人もいるそうです。それでもこんな勝ち方が出来るということ、それ自体が数値化出来るものではありません。ラスト1周、新城選手が単独で飛び出した、その音や風圧にさえ鳥肌が立ったのは、それが情報を超えた本物だからなのだと思います。
※1:Wは電気などと同じくワットと読み、自転車にセンサーが付いていて、脚力をワット数で表示している。
※2:世界三大自転車ロードレースの一つ、スペインで開催のブエルタ・ア・エスパーニャ。
この記事へのコメント
おこめ
いいですね
ぽんで
自転車競技は興奮します。
ほな
風が大敵です。
ほな
東京五輪で三鷹市を走ります、楽しみ。
ほな
日本にもブームが来る。バスケの次です。
ほな
選手はみんな筋肉質です。
ほな
欧州での人気が判ります。