第99話 うれしいご報告~前編

  • 2020.03.09
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いつもサーモスのコラムをご覧頂きありがとうございます。今日はこの場を借りて皆さんに嬉しいご報告があります。
このたび僕が運営するデイドリップコーヒーは、東京・世田谷区の千歳船橋にロースタリーカフェを出店することが決まりました!オープン時期は早ければ4月末、願わくば5月の大型連休にはと思っています。ロースタリーカフェなんて格好つけて書きましたが、要はコーヒー豆を販売するカフェで、5坪にも満たないとても小さな店舗です。今回は出店に至る経緯について書き留めてみたいと思います。
光が見えた感覚
振り返ってみると事の始まりはお腹の痛みだったかもしれません。昨年の冬の初め頃、僕は腹部に鈍い痛みを感じるようになりました。もっと以前から少し感じてはいたものの、痛みは段々と無視できないものになりました。11月になると毎日未明に腹痛で目を覚ますようになりました。身体に何が起きているのか?不安は増すばかりでした。
遂にある日の夕食後、強い腹痛と下痢を起こしました。これはもう誤魔化している場合ではありません。年末に近所のクリニックで診察を受けました。そこで大きな総合病院への紹介状を書いてもらい、年明けに内視鏡検査を受けることになりました。検査日は様々な都合で1月の終わりに決まりました。もう何と言うか、気分は最悪の年の瀬です。
きらめくネオンさえ色褪せて見えていた年の瀬
大晦日からお正月にかけて、僕は普通に過ごせる最後の年末年始になるかもしれないと思い込んでいました。勢い、終活なんて言葉を意識するようになり、断捨離と称して大量の服を処分しました。また近所の自転車チームのメンバーを誘い、ささやかなサイクリングも計画しました。今思い返すと笑える話ですが、その時は本気で想い出作りのつもりでした。そんな矢先のこと、訃報が飛び込んできました。その自転車チームのメンバーの一人が、長い闘病の末に亡くなったのです。僕より年下のナイスガイでした。
一緒に真夏の江の島まで走った時の、想い出の一枚
お通夜の日の夕方に、ユフラトーキョーの今年一年の方針を決める大切な会議を予定していました。お通夜に間に合うよう時間を少し前倒ししてもらい、早めにユフラへと向かう移動の時のこと。なぜか急に「最近の物件情報ってどうなっているのだろう?」と気になりだしました。思い付くままにスマホで検索を始めると、ある物件が最初に目に飛び込んできました。ウチの近所の小さなイタリアンだった場所で、入ったことはなかったのですがそのサイズ感は自分好みでした。こんな場所で店を出来たらいいな♪と思っていた、まさにその店でした。後で詳しく見ようと思い、そのサイトをブックマークに追加しました。
死に様は生き様。横たわる姿にカッコイイと思ったのは初めて。
お通夜にはサイクルウエアで行きました。メンバーにとってはそれが正装だからです。その頃僕が想像していた自分の腹痛の原因と彼の病名は同じものでした。それだけに葬儀の全てがすぐ我が身にも起こるのだと思っていたし、とても良いお通夜で、僕もこんな風にしたいとも思いました。帰り道、仕事帰りのカミサンと合流し、深夜の街を散歩しながら二人して物件を覗きにいきました。カミサンは「良く見つけたねー!」なんて喜んでいました。
翌朝、勇んで不動産会社に電話しました。でも返事は「申し訳ありません、ちょうど昨日契約が決まってしまったんですよぉ。」ガーン!あまりの悔しさに「あの、あの、まず無いとは思うんですが、万が一キャンセルが出たらご一報頂きたいのですが!」と申し出ました。でも名前を聞かれるでもなく「あ、はい分かりました」と言われ切られてしまいました。ダメだったとカミサンに告げると、昨晩からいろいろ空想し始めていたことが急に色あせていきました。
その1週間後、遂に僕は検査の日を迎えました。「ああ、これで俺も闘病生活の始まりか…」なんて要らぬ心配をしながら病院へと向かいました。その日が奇跡的な、そしてバカバカしいような逆転劇の始まりだとは思いもよらずに♪
後編に続く


この記事へのコメント

ぽんで

体の不調は気になりますね

*

続きが気になる…。楽しみです。

ほな

いいね!次が楽しみです。

猫のしっぽ

ロースタリーカフェの出店、おめでとうございます!!
お店に、お伺いさせていただきます。アドバイスを、お願いいたします

年下の自転車チームの方が、お亡くなりになられたの事、お悔やみ申し上げます。
黒田さん、お身体ご自愛くださいませ。

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