春真っ盛りのフィールドは、新緑の木漏れ日と小さな草花の溢れる命があまりにも美しい瞬間です。今年も楽しみにしていた散策は、新型コロナウィルス関連の緊急事態宣言があったため断念…。
そうはいっても自然界の春を感じなくては僕の仕事の一年が始まらないので、仕事で長野県の奥地へ行った際に、休憩がてら“デイハイクならぬ“デイ散歩”をしてきました。
暦の上での季節は一度進んでしまったら戻らないけど、自然の季節は自分が住んでいる場所から「北」または「寒いエリア」へ向かえば過去へタイムトラベルすることができてしまいます。その目的地が長野県の奥地というわけです。
フィールドに到着した僕は、胸に黒いネクタイをした野鳥、シジュウカラがツピーっと鳴く森の中に、まずは自分の拠点づくり。ちょうどいい樹間を探して、ハンモックを手早く設置します。午前中の気温はまだ一桁。関東とは違い長袖が心地良い澄んだ空気の中で、ハンモックを設置すると、涼しくて気持ちいいのに軽く汗ばむという高原特有の感覚に体が包まれます。
拠点のハンモックが完成したら、無駄に多忙だったコロナ疲れを癒すべくまずはティータイム。ポケットに忍ばせて置いた真空断熱ケータイマグに入れておいた温かくて甘い紅茶を口に含んだら、そのままダラッと横になってタバコの煙を青空に消えていくまで眺める…。もう、これだけで幸せ。
半径50m誰もいない森だから、マスクの着用もなし。一足どころか二足遅れの春だけど、なんて心地良い時間だろうか。コロナから紐付く自粛や生ビール無し生活や仕事など、あらゆることで強ばっていた身体が少しずつ解けていきます。
拠点のハンモックはそのままに、自然に癒されとろけた身体でそのまま森の散策へ。高原、そしてまだ気温が一桁台の時間があるこの長野の森はまだ早春。冬の名残で残る落ち葉の地面をよく見ると、敷き詰められた葉っぱの隙間から薄緑の植物がたくさん顔を出し始めていました。
冬の装いだった木の枝先も、冬の間に溜めたエネルギーを使って新緑が拡がろうとしていたり、場所によってはもう初夏の装いになっていたりと、自然のエネルギーが一気に噴火し続けるような感覚。これを味わうと、やっと新しいシーズンがスタートする気持ちになってくるのです。
ヒメオドリコソウに、トキワハゼ、オランダミミナグサに、オオイヌノフグリ、ウリハダカエデの冬芽と、数歩歩くごとに目に飛び込む春は、何度も僕の足を止めてしまいます。おかげで通常歩いて10分の森を抜けるのに2時間もかかってしまいました。
歩くスピードが遅いので、高原ではどうしても身体が少し冷えてきます。そんな矢先に現れたのが足湯エリア。僕にとってはまさに渡りに船。見つけた瞬間に気分が上がり、靴と靴下を脱ぎながら歩き、そのままバシャンと足を湯につけます。足湯のお湯は源泉に近ければ近いほど熱く、離れると温くなる。足の温まり具合に合わせて移動をしながら足だけだけど、温泉を堪能することができました。
足も気分もさっぱりしたところで、僕の拠点ハンモックスペースへ帰還。あらためて布に身体をゆだねて、ケータイマグの紅茶を味わったそのまま空を眺め、心ゆくまま春なるものを味わいました。その結果、僕が出したこの日の答えは、「もう今日はこのまま泊まって帰ろう!」ということ。
このまま寝袋にくるまって夜を明かし、渋滞が全くない安心安全な有料道路を通って帰りました。
この記事へのコメント
おこめ
楽しそうですね
りょう
最高の休日
ぽんで
自然は最高の休息を与えてくれますね
るるーん
素敵ですね!
ゆーだいすきかあさん
あ== いい記事ですね
「荷物の少なさは自由の大きさなのだ。」がとくにいい
ハンモック からの景色
そして足湯ですと・・・・
お~~~好物ばかり
ほな
ニホンカモシカは栄養たっぷりですね。
だあきち
ニホンカモシカ!
すごい大きいですね!
pon
鳥の声を聞きながら、天然の足湯に浸かるって最高ですね!
江戸っ子
ハンモックを木に吊り下げるときは、こんな風にするの???
ほな
長野県の奥地はどこですか。