雨男は山でカップラーメンを楽しむ

  • 2021.07.13
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梅雨時の登山は、憂鬱この上ない。でも、“プライベートでは雨男かもしれない”…と最近気づき始めた僕は、もう雨なんてむしろポジティブにとらえないと人生が楽しめない!
この日の山も“やっぱり” 雨…。雨といってもちょっと普通の雨じゃない。強めの雨に、風が少々、しかも前日は大雨と最低なコンディションです。でも僕は「他の登山者は誰もいないし、これは悪天候時のトレーニングには最高だ!」と気持ちをあくまでもポジティブに強制変換して、少し雨が弱まったタイミングで登山道を進み始めました。
行きがけに見つけた顔出し看板。セルフで撮影できるようにスマホスタンド付き。
汗で蒸れるレインジャケットは脱ぎ捨て、多少の濡れは気にせず歩いていると、手作り感満載の橋が現れました。足下まで来ている川水のスリリングを味わいながらすり足で進みます。もちろん登山ガイドでもあるので、安全第一。行けるか行けないか、判断はしっかりと。
スリリングな木橋。川の水量や上流からのゴミ流れに気をつけながら渡る。
ゴロゴロ岩のルート…のはずが、この日はいくつも川ができていた。ルート選びはトレーニングに最適でした。
時々、濃厚なガスが山間にかかっては上空の風に流される景色は、横に降る雨の不快さを引いてもおつりが来るくらい綺麗なものでした。トレイル上に現れる昆虫や植物も、水滴を纏っていつもの200%増しで良い感じ。
時々現れるレトロな看板はこの日数少ない人間の気配。ほっこり癒されるイラストに思わず写真をパチリ。
山小屋の屋根から落ちる雨。人工物に当たる雨音はけっこう好き。
なるべく手足をしまって(いるように見える)じっと動かないコガネムシの背中の水滴が綺麗だった。
雨の山に心も身体も慣れてくると、歩きが楽しくなってきます。一種のハイカーズ・ハイというやつです。僕の身体が作り出した湯気を吐き出しながら到着した頂上は、強雨のためすぐに通り過ぎて下山開始。下りは予定していたロープウェーで降りようと乗り場に行くと、「本日は強風のためロープウェーは運休にします」の看板…。急襲するがっかりは一瞬。またポジティブ思考に誘導して、楽しく下山することに。この原動力は、僕のバックパックの中に入っている “とっておきのもの”のおかげです。
こんな日の鎖場はワクワクしてしまうのが僕の性分。
ロープウェー乗り場。この無人感に一瞬心が雨模様に…。
登山は面白くて、登りで気づけないものが下りで気づけることがあります。おやつに天然甘味のモミジイチゴを補給すれば、山の幸せ度数が跳ね上がる。森の中の大きな木を見つけたら、雨でドロドロの地面にバックパックを敷き、雨が少ない木の下に腰掛けて、いよいよ“とっておきのもの”を取り出す時が来た!
僕にとっての“とっておきのもの”は、ボトルに入った熱湯と、その日の気分で選んだカップラーメン。天候が悪いときは、行動食を食べながら止まらずに進むのがセオリーだけど、ハセベ的にはこんな日だからこそ腰を据えてカップラーメンを楽しむのが正解。降りしきる雨にも負けずに湯気をあげながらカップラーメンの中に吸い込まれるお湯は、眺めているだけで笑顔になります。
おやつのモモジイチゴは、木イチゴ界でもっとも甘い!
何千回と食べた山でのカップラーメン。この多幸感があるかぎり、きっと飽きることはないだろうなあ。
お湯が入ったカップで手を温めながら待つ3分間は、本当に幸せ。冷えた体に慌ててラーメンを詰め込んだときのむせる感じもまた最上。最後の一滴までスープを飲み干したあとは、燃料が入って熱を発し始めた身体をテンポ良く揺らしながら下山再開です。
ヒキガエルに挨拶をして、誰もいないことを確認してから顔出し看板で記念撮影。車に戻ったら着替えをしてエンジンをかけて街へ…。足に残ったヒルの痕9カ所を差し引いても、幸せな山登り時間でした。
途中で出会ったヒキガエルくん。この1対1の出会いは誰もいない雨の山ならでは。
普段は恥ずかしくてなんとなくできない顔出し看板。今日はチャンスとばかりに撮ったものの、この後のさみしさといったら…。
北海道に九州、行きたい山はたくさんあります。早くのんびり行きたいなあ。


この記事へのコメント


おこめ

顔はめ看板懐かしいです


りょう

モミジイチゴ、ばあちゃんの味。。。
懐かしいね


ぽんで

顔出し看板笑いました


だあきち

アウトドア、楽しそうですね!


なかなか

ユニークな方だなぁ。と言うイメージでした。どこかで自分にはなかなか出来ない事をやっていたり、感じたりしているのが羨ましくなったりしました。
好きなものがある人は強いですね。


ほな

昔のレインジャケットと比較最近は快適です。靴とレインジャケットとお金があれば万全です。

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