日本には、“冬だからこそ楽しい山”があります。雪がない時期は、距離は短くても子どもにはちょっと足がすくんでしまうような急坂ポイントがあったり、逆に登っても景色が変わらずぜんぜん面白くない場所もあります。
ところが、雪が1メートル以上降り積もった途端に、その山は表情が一変します。急坂はスリリングなソリ滑りの場所になり、ちょっとした高低差はダイビングポイントに変化します。そして、雪のおかげで登山道以外もフィールドを傷めずに歩けるので、つまらない道は自由自在に好きな方向を進めるようになります。
つまり、雪が積もれば自由を謳歌できる山になるというわけです。この自然のコントラストが、日本の素敵なところだなあといつも感じています。
今回は、そんな積雪後の冒険をするための下歩きのために家族で山に入りました。一度雪が少ない状態でフィールドを見ておけば、本当に危険な場所はどこで、次回はどんな遊びができるか作戦会議ができるというわけです。
登山口に到着して雪景色の中を少し進むと、次第に岩肌が顔を出し始めます。急な岩場は地面が滑るし、岩は冷たいし、靴にスパイクを装着して歩かないと真っ逆さま…です。これはこれでまたスリルがあって楽しいのですが、転んだら痛いでは済まないのが無積雪期のつらいところ。
「ここは雪が積もったら絶対に面白いソリエリアだね!」「ここは雪を掘ってテーブルにしたら楽しいね〜」そんな話しをしながら進んでいると、積雪期と無積雪期の狭間、今ならでは自然が次々と目の前に現れます。特筆すべきは、気温の低さが作り出す自然の造形です。
雪が降り積もると見つからない、地面際にある自然は、見る物全てが息をのむほど美しい!ドングリの外側の殻の中に水が溜まって凍ったものや、地面から岩肌を登っているように見えるつららなど、人間が意図的につくろうと思ってもそう簡単にできるものではありません。この出会いは、今回来て良かったと思わせてくれるものばかりです。
楽しみすぎてあっという間に暗くなりそうな気がしてきたので、ランチは手早く済ませて遊びを優先することにした僕達。ボトルから熱々のお湯を注いだラーメンに、食後はチョコレートに粉タイプのカフェオレ。という冬における最強セットでお腹を満たします。
30分程度のランチタイムだけど、もちろんランチで過ごす場所は手を抜きません。雪と土が混ざったぬかるみの上は不快なのでハンモックを設置し、丁寧に準備をして、身体の中から一気に温まる感じは幸せこの上ない時間です。
食後に、日が当たって温かくなった岩場を探して大の字に寝転べば、まぶたが自然に重くなってきてしまうほど、心地良い日向ぼっこタイムを少しだけ楽しみました。
名目は“雪の日のための下見”のはずが、すっかり一期一会のこの自然を満喫した僕たち。最後はゼエゼエ白い息を吐き出しながら、そして時に突然やってくる雪合戦をしながら登山口に帰還。
マイナスの気温下の雪と地面のミックスな場所を歩くのは、楽しい上に帰りの温泉と風呂上がりのコーヒー牛乳をひときわ美味しくしてくれます。湯気立つ身体で車に乗り込み、帰路で食べるメニューの相談をしながらの運転もまた幸せです。
さて、来月はいよいよ本番のスノーハイクだ!楽しみだなあ。
この記事へのコメント
なみや
わたしも娘といっしょに行ってみたくなりました。
おこめ
素敵な親子ですね!
ぽんで
親子のふれあいにアウトドアは最適ですね
こきはるまま
娘さんと仲良し素敵です!
よもちゃん
冬山の中でアツアツを保温できるのはさすが!
だあきち
自然がいっぱいでうらやましいです!
ほな
娘さんがしっかりされている。自然との融合。
ほな
自然に触れる子供さんはしっかりしています。
江戸っ子
寒い中で食べるあったかラーメンとカフェオレ これ、最高の贅沢ですよね~
外で思いっきり自然と戯れる。これも、都会っ子から、みると、贅沢な遊びなのかもしれませんね。