日本の自然には、まだまだ不思議なものがたくさんあります。そのひとつが「氷のこけし」。地形、気温、季節の条件がすべてそろうと突如現れる氷でできた造形物。僕達は、このこけしを見にスノーシューを履いてフィールドを歩き始めました。
コースは前月に歩き(遊びが正しい?)、GPSでポイントを打ってあるので、遊びながら森の奥へと進むだけ。遊び場所もチェック済みなので一路氷のこけしの場所へグングン歩きます。
今回の装備は、重いし取り回しも悪い!でもこれは急斜面でソリに乗り込んで滑走するため。遊ぶとき以外はただのお荷物だけど、人生同様無駄な重さは必要なのです。
フィールドは大当たり。そして天気は文句なし。平均膝丈の積雪で、場所によっては腰まであるので、多少の高さからダイブしても大丈夫で、ワクワク感がもう止まりません。
急斜面を下るには、まずは山の高い所へ行く必要があります。気温はマイナスなのに滲み出る汗を冷やすためにジャケットのジッパーを下げ、そしてコロナでなまった身体のおかげで呼吸もどんどん荒くなります。外気が低いので、自分が吐いた息がまつげにこびりつく。小さな丘程度の山なのに、なんとも道のりは遠い…。
登ってしまえばあとはこっちのもの。バックパックやスノーシューは斜面の下に投げ飛ばして、ソリに飛び乗る。疾走するソリが散らせるパウダースノーが視界を奪い、異世界を滑降しているようなスリルは、日常にはないスリルと気持ちよさが心の中にグイグイ入ってきます。
フィールドでは、大人も子どもも関係ない。どれだけ本気で、いやムキになって遊ぶかで、人生損するか充実するかが決まります。…と、長谷部家家訓になっているので、全員ムキになって斜面を滑ります。滑るということは、登るということ。滑る回数が増える度に体力をどんどん失っていくのが大人の辛さか…。「またトレイルランニング再開しないと」と、ついでにこういうときに反省したりもします。
身体がヒートアップすると、その熱の放出のせいか異様にお腹が空きます。今日のランチはお家でにぎったおにぎりと、コンビニで買った各自お好みの温かいもの。バックパックからボトルを出して、ササッと注げばランチタイムスタート。ランチ中にお湯を沸かしてまたボトルにお湯を入れておいて、いつでも温かい飲み物を飲めるようにしておきます。
さて、ランチ後はいよいよ「氷のこけし」を目指して再スタート。山の尾根を斜めに下り、森の中を少し進むと、大人は四つん這いにならないと中には入れない小さな洞窟がひっそりと口を開けて僕らを待っています。
静かに、そっと中に頭を入れると、そこには天然氷のこけし達が大家族のように並んでいました。僕が氷のこけしと呼んでいるこの正体は「氷筍(ひょうじゅん)」といって、-3度くらいの温度で小さな洞窟でないと生まれない氷柱(つらら)のようなもので、通常は上から下に伸びるものが、タケノコのように下から上にニョキニョキのびてくる不思議な現象です。
自然の造形は、たくさんの方が見られるように、折れないし、触れないし、もちろん舐めることもできません。ひっそりと冬の間だけ存在するその期間限定のはかなさがまた神秘的できっといいんだろうな。
コロナでまだまだ自由自在に旅はできないけど、小さな自然をみなさんも是非楽しんでくださいね。
この記事へのコメント
おこめ
楽しそうですね
りょう
ソリ懐かしいわ
ぽんで
日本の自然はまだまだ未開ですね
ミキ
外の寒いところで温かいものを食べるのは最高!
リッキィマウス
まさに自然の芸術^ ^
ゆーだいすきかあさん
いいな==
絶対楽しいですね
はるちゃん
私もハイジのように、まだ誰も足を踏み入れてない雪山をソリで滑りたーい。
だあきち
そりが楽しそう!!
氷のこけし、もかわいいですね!
ほな
奥様が素敵ですね。雪のよう。
江戸っ子
まさに、自然の造形は、私たちの想像した世界をはるかに超える造形を生み出しているのですね~
ソリで滑るには、高いところに登らなくて。。。楽しいことをする前の苦労は、それも 楽しいの一部です。