第172話 ノヤマのブレンド

  • 2023.03.09
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以前から興味があった山歩き。昨年は登山歴の長い友人ジョンのガイドで、初トレッキングに行きました(その時のお話はコチラ)。でも僕は同時に始めたオートバイの方にのめり込んでしまい、山歩き関連はご無沙汰してしまったのですが…先日ジョンから久しぶりに連絡がありました。彼は仕事で担当しているウェブサイトでコーヒーを取り扱いたいと思い、僕にあるアイデアを持ち込んできたのです。それは「山で湯を沸かす時、標高によって沸点が違うんだけど、その温度でコーヒーをドリップする提案って出来ないかな?」ほぅ、コーヒーを抽出するための温度を、標高による沸点で表すとは面白いアイデア!
今回はジョンが編集した焙煎の動画を画像でご紹介。ブランド名はノヤマコーヒー。
計量の後、まずは欠点豆を取り除くハンドピックという作業。
国内で標高が高い山といえば一番は富士山ですが、二番以降は多くが日本アルプスにあります。その稜線を辿りながら数日かけて山々を縦走…なんていう場面では本格的なハンドドリップというのは難しいと思いますが、どこか眺めの良い地点でコーヒーを淹れることを目的とするならアリですよね。友人ジョンは北アルプス・蝶ヶ岳からの眺めとそこで飲んだコーヒーの感動体験が根底にありました。そこで蝶ヶ岳の標高2,677mの沸点と、その雄大な眺望のイメージを元にオリジナルのブレンドを作ることになりました。
焙煎開始。小窓から豆の状態が見えます。
季節で気温も変わるので、温度とガス圧の管理はとてもシビア。
様々な情報を記録しながら進めます。温度は1分ごとに記入。
標高2,677mでの水の沸点は理論値で約91℃です。コーヒーの抽出温度に関してはコーヒー業界の中でも意見はバラバラですが、個人的な印象で言うと、古くからの喫茶店文化などの影響を持つ人は低め、今どきのサードウェイブの影響を受けている人は高めのように思います。91℃は今や基本の温度ですが、どちらかというと今どき寄りで浅煎り系がフィットします。また森林限界を超えた広大な景色には、空へ抜けるような軽やかさと自然の持つ懐の深さのイメージもあります。僕はそんなキーワードを元に膨らませていきました。
焼き上がり♪
ハンドピック。一般的にはこの焙煎後だけの場合が多いようですが、僕は焙煎前がメイン。
コーヒーが完成したと連絡をすると、ジョンから更に追加の相談がありました。それは今回のブレンドのイメージが登山というハードなシーンなのに対し、逆にキャンプ場のような場面で気軽に楽しめるブレンドも出来ないかというものでした。イメージは食後に焚き火の前でホッと出来る一杯。となると深煎り系でほんのり苦味を感じるようなコーヒーが僕のオススメです。先のコーヒーと同じ豆をベースにして共通の素性を持たせつつ、やや深煎りの豆を加えてアクセントを付けました。こうして二つのブレンドが誕生しました。
ラベルはジョンの会社でデザイン。よく見ると背景は等高線がモチーフに。
専用シーラーでガッチリ止めます。
登山イメージのコーヒーはHikers Blend2677(ハイカーズブレンド2677)、キャンプイメージの方はCampers Blend1600(キャンパーズブレンド1600)と命名されました。お察しの通り商品名の数字は標高を表しています。そしてジョンが担当するウェブサイトでの販売が始まりました。彼が勤める会社の企画販売なので当店での豆の販売はありませんが、代わりにドリップメニューとして皆さんに飲んで頂けるようになりました。野山の様々なシチュエーションで楽しめるブレンドが出来たと思っています。ぜひこの味わいを皆さんにもお試し頂けたら嬉しいな♪
二つのオリジナルブレンドが完成。暖かくなったらコレ持って山行くぞー♪


この記事へのコメント


おこめ

参考にしてます


ほな

面白い着想ですね。

  • 黒田 悟志

    僕も最初に聞いた時「その手があったかー!やられたー!」と思いました笑


ぽんで

パッケージのイラストが秀逸ですね。

  • 黒田 悟志

    ありがとうございます!パッケージデザインも奥が深いと感じてます。


江戸っ子

一袋一袋、一粒一粒、手をかけて下さっていることが伝わってきます。
コーヒーにも愛情がかかっている製品があるのですね~

  • 黒田 悟志

    どこでも手に入るコーヒーの中から選んでもらうために、自分に出来ることは例えばこんな作業だったりします。


ミキ

焙煎前後の様子、初めて見ます‼︎
コーヒーて奥が深い‼︎

  • 黒田 悟志

    焙煎は奥が深過ぎて「極める」なんて言葉は怖くて使えません。


hirune

こだわりの愛情がたっぷりつまってますね!
飲んでみたいな~

  • 黒田 悟志

    豆に込めた愛情が伝わって嬉しいです♪


おひるだ

ノヤマコーヒーのラベル可愛いですね。ハイカーズブレンド2677とキャンパーズブレンド1600、どちらも頂いてみたいです。オリジナルブレンド、出来上がるまでも中々根気のいる作業なのですね。
ジョンさんとのトレッキング、また楽しみですね♪

  • 黒田 悟志

    ブレンド作りは作品作り。大変ですがクリエイティブな作業なので楽しいです♪


*

可愛らしいイラスト ラベルですね♪
コーヒーのコラム読んで飲みたくなりました!!

  • 黒田 悟志

    ありがとうございます!機会あれば是非♪


だあきち

ラベルのデザイン、素敵ですね♪
飲んでみたいです!

  • 黒田 悟志

    ありがとうございます!ジョンも喜ぶと思います。

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