ウチの店にはオリジナルのブレンドで作ったドリップバッグがあります。カップの上に乗せてお湯をかければ1杯分だけのコーヒーが出来るアレですね。前にチェアリングの話を書いた時にもご紹介したので、ご存知の方もいるかと思います。このドリップバッグ、中身のコーヒー粉は僕が焙煎しブレンドしたものですが、パックをしたのは僕じゃありません。コーヒー豆を届けるとドリップバッグに仕立ててくれる専門の会社があるのです!ということで今回はドリップバッグのお話。
あのカップに載せる簡易的なドリッパー部分ですが、概ね2種類のタイプ〜筒型のような形とV字に開く形があります。筒型は一番よく見かけるタイプで、ドリップしている最中にコーヒー粉の大半がコーヒー液に浸かり続けるのが特徴です。浸かる時間によって味わいを調整でき、長く浸すことで少なめの粉でも濃く作れますが、エグ味や雑味が出やすくもあります。一般的には8g入っていることが多く、時折10gの良心的なモノを見かけます。最近は逆に7gが出回っていますね。
V字型はコーヒー粉が少し高い位置に来るので、浸る部分が少なくエグ味や雑味は出にくいです。でもその分、味の濃さを確保するためにコーヒー粉を多めにする必要があり、基本は10gを使います。ウチの店ではV字型の方を採用し、粉の量は封入出来る上限いっぱいの12g入れています。筒型8gに比べ1.5倍という多めの粉を用いることで、クリアで余裕のある美味しさを届けられるからです。またV字型の方が大きめに開くので湯も掛けやすいですし。結果コストは掛かるので利益は、、、ですが。でも美味しい方がいいんだもん!
専門の会社にパッキングを注文する時は、こういった中身の仕様だけでなく包装袋の色や裏面の表記など、いろいろなことを決めて注文します。そして製造日の直前に一気に焙煎を行います。ウチの焙煎機はとても小型なので必要な量を用意するのに何回も焙煎しなければならず、数日がかりの大仕事になります。また焙煎中は焙煎機の側にずっと付きっきりとなり、トイレも行けず集中し続けるので思ったより重労働です。段取りやスケジュール管理は苦手ですが、これに関してはかなり気合いを入れてやりました。
こうして出来上がった完成品を試飲したら、予定よりちょっと苦味に仕上がっていました。そこで今回は思い切って追加の再注文をし、豆のセレクトや焼き方を修正した「いつもの」ニュートラルな味のブレンドも作りました。さすがに在庫は多くなっちゃったけど、味が選べるのは良いことだし、普通のペーパードリップよりハードルが低い分、多くの人に手軽に美味しさを感じてもらえるのは大事なことだなと思っています。個人的にはサーモスの水筒と相性が良いと思い込んでいるので、コラムに度々登場するかもしれませんがお気に入りなのでお許しを。
この記事へのコメント
ほな
コーヒーカップが素晴らしいです。
ローズマリー
私が15年近く頂いているドリップコーヒーはV字型で10gでした。
プロの方の貴重なお話が聞けて、自分の味覚と選択に自信が持てました。
ミキ
筒形のドリッパー、初めて見ました‼︎
いつも黒田さんのコーヒーは美味しそう✨
ほな
いい香りがします。
キラー
ドリップ式大好きです。
おひるだ
我が家は筒型のドリップ式で普段飲んでいるのですが、粉の量も微妙に違っている事なども、全く気にすることなく飲んでいました。V字型のドリップを見かけたらちょっと意識して飲んでみますね♪
江戸っ子
ドリッパー部分の不織布にも こんな違いがあるなんて知りませんでした。
飲み会の時に、自分の知識として、披露しちゃおう♪
hirune
ドリップ式は手軽なのに本格的で大好きです
ちょっとした贅沢になりますね