「ああ、雪山シーズンがもうすぐ終わってしまう…。」テレビで花粉の話題が出始めると毎年必ず大切な人との別れのような寂しさが湧いてきます。”しばらく味わえなくなる”という限定感が今年も僕の冬山欲を爆発させてしまいました。
今回の目的は、冬山を“いろいろ”な方法でゆるく4度味わうこと。そのために僕は大分県に飛びました。羽田空港を飛んで少しすると、このために予約をした左窓側の席からはまだ雪化粧をした富士山が俯瞰で現れます。この存在感がある雪化粧をした富士山を見ながら飲む珈琲が本当に旨い!裾野の広さが雄大さを感じる富士山を堪能したら、目的地まではしばし休憩(睡眠…)。
次の山の楽しみ方は登ること。今回選んだ山は無積雪期で往復3時間程度の湧蓋山(わいたさん 1,500m)。大分県と熊本県の県境にある九重連山の西にある山で、頂上まではいくつかのルートがり、振り向けば湯煙の町という、“The Japanese Mountain”な景色を望みたくて選定しました。
この日は当たり日。足下はパフパフのパウダースノーで、足を蹴り出すときめ細かい雪が舞い上がります。山の延焼防止のために定期的に野焼きがされていて、眼下は金色の低植物が敷き詰められていつもとはちょっと違う景色を楽しませてくれます。
標高を上げていくと、次第に木の枝に荒々しい雪の跡がつき始め、雪山感が高まります。寒すぎず、風も少なく、少し汗ばむ程度の身体の具合と、今日は冬山登山には最高の陽気といっても過言ではありません。息を整えるために小休憩をするタイミングで後ろを振り返れば、モクモクの温泉景色が常に待っているなんて、もう幸せ過ぎる時間です。
軽く雪が降り始めるころに山頂に到着すると、残念ながら青空が消え空は薄明るい灰色に変わってきました。通常であれば山頂からの景色が見られないと残念感が高まりますが、今日はそんなことありません。雪山の堪能という視点でいえば、降雪、視界の悪さもまた堪能するべき山の面白さなのだ!小休憩をして、冷えた身体に甘い紅茶を流し込んだらゆっくりと温泉地に向かって下山を楽しみました。
下山後は、本州ではなかなかできないもうひとつの山の愉しみ方を実践します。大分県=温泉。地面の奥底からシューシューと吹き出す湯気の中を歩き、貸し切り風呂に直行。まずは空っぽの湯船に温泉を満たし始めます。「あっち〜!」と思わず声を出すほど熱いお湯に地球のパワーを感じながら、水で適温にしたら湯船にザブン!大きな額縁のように見える小さな貸し切りの小屋から先ほど登った湧蓋山を臨み、ふ〜っと心と身体からいろいろなものを吐き出します。冷えた足先が温泉でビリビリシビれる感覚は、僕に生を与えてくれます。
さっきの登山はいってみれば前菜。そしてこの温泉のターンがメインディッシュといっても過言ではありません。この湯船から臨む景色のためにわざわざ山を登る。この贅沢さといったら…。
別府の町に到着したら、山の楽しみ方の最終段階。町をぶらつき、目にとまった飲み屋に入って地物のつまみを生ビールで何回も流し込み、仕上げに日本酒で身体を整えたら塩辛がたっぷりとのったお茶漬けでこの日を締めくくります。
山を俯瞰で見て、登って、湯船に浸かりながら眺めて、地元の飯と酒で山を締めくくる。今回は冬山を4つの方法で堪能しちゃいました。みなさんも登らないでも楽しめる山を味わってみませんか?
この記事へのコメント
りょう
身体が欲する!温泉最高!!
おこめ
すごいですね
ほな
寒さが逃げてゆく、装備です。
アリ食いノア
雪山はスキーにしか行きませんが、
あのトゲトゲの樹氷は凄い!
見たことないから、見てみたいな。
ほな
雪山と温泉は贅沢ですね。
おひるだ
貸切風呂から見える素敵な景色も、とっても気持ち良さそうです~。美味しいものも色々たのしめちゃいそうですね。行ってみたいなあ~。
江戸っ子
このお風呂、気持ちよさそう~
ミキ
山にお風呂に美味いもの!最高ですね!!
ぽんで
富士山の写真に目を見張りました。
hirune
アグレッシブルさが伝わりますね!