昨年の5月、SSTRというバイクのイベントに初参加しました。当時のコラムにもしつこく書いたので、ご記憶の方もいらっしゃるのではと思います。SSTRは「サンライズ・サンセット・ツーリングラリー」の略で、太平洋岸のどこかから日の出と共に出発し、その日の日没までに石川県羽咋市の千里浜海岸にゴールするというツーリングラリーです。スタート地点とゴールまでのルートは自分で設定するという面白い仕掛けのイベントです。ゴールに向かう夕陽の砂浜を、何百というバイクのテールライトが延々と続く光景は感動的です。

昨年のゴールシーン
当初は今年も5月下旬の開催予定でしたが、皆さんご承知の通り、元旦に能登半島を襲った地震により大きな被害を受けました。被災地に対しどのような形での開催が良いのか?そもそも開催すべきなのか?大変難しい判断を迫られたと思います。しかし現地の自治体や地元住民の方から今年も開催してほしいとの声があった他、幸いゴール地点の羽咋市は奥能登から距離があり、能登の復興支援に繋がる形で検討された結果、10月5日〜20日の開催となりました。前向きな形で関わろうとする姿勢に頭が下がる思いです。

昨年のゴール翌日、輪島の總持寺を訪れた時の様子

總持寺に展示されていた『禅』の書。この時既に珠洲市が大きな地震で被災していました。
ただし開催時期が秋になったことで昨年より日照時間=ゴールまでの時間が短くなりました。昨年の14時間30分に対し、僕が参加する当日は11時間44分しかありません。でも、能登地方の現状を(復興作業の邪魔にならない範囲で)この目で確かめたいという気持ちもあり、迷った末に今年も参加することにしました。また僕の店では次回の『日本酒の会』を能登・北陸のテーマで開催することになり、応援の気持ちを込めてお酒などをどこかで仕入れ出来たらとも考えています。

昨年も能登のお酒をご用意しました。
そんな思いで参加の準備を進めていた矢先、能登地方を想定外の豪雨が襲いました。地震からの復興を目指していた被災地は、追い討ちをかけるような災害に見舞われてしまいました。僕の気持ちは複雑に揺らぎました。たとえ羽咋市までだとしても、イベント参加を目的として能登方面を訪れることが、果たしてこのような状況でもアリなのだろうか?と。この感覚、思い起こせば2011年の東北の震災の時も同じような迷いを感じていました。でもその時は答えが見つからないままだったな…。

以前、東日本大震災の支援手伝いで陸前高田を訪れた時に見かけた、ガソリンスタンドの看板。
正直に言って、今もどういう答えが正解なのか分かりません。考え方は人によって様々ですから、どのような関わり方にも賛否両論あると思います。ただ一方で確かなことが一つあるとも思っています。それは「見ないようにしたり、無かったことにするより、見て、関わる方がいい」ということです。なぜなら、人は人と関わってこそ前へ進むことが出来ると思うからです。SSTRというイベントが、能登に強い関心を抱くきっかけとなりました。僕なりの関わり方で能登の支援に繋がる何かを見つけるためにも、やはり参加してみようと思います。

羽咋市も行ってみないとわからない点もあると思うので、刻々と変わる状況を踏まえながら参加しようと思います。
この記事へのコメント
ゆらん
めちゃめちゃカッコいいです!
ビリケンママ
素敵な行いですね。いつも応援しています。
ポンちゃん
様々な視点がある中「見て関わるという」選択は素晴らしいと思います。
スッチー
素敵です。
サーモン
良いバイクですね!
SSTR完走楽しんでください
はる326
夕陽が映えますね。
コレステロール
太刀打ち出来ない自然現象ですが、頑張って下さい。
江戸っ子
能登の復興支援に繋がる形で イベントがあると それに参加することも復興につながるのですね。
かぐや姫
かっこいい生き方に憧れます
行動力の源は何なのでしょう
見習いたいな
ガチャピン
石川県及び同県能登地域の一日も早い復旧・復興を心より祈念申し上げます。被災された方々に対しても重ねて御見舞い申し上げます。
ぽんで
関心を持ち続けることが大事ですよね
コーヒーブレイク
出身地の横浜は鶴見区にも総持寺があります。輪島が本山なんでしょうか。輪島のみなさんが少しでも元気になられますように。応援してます。
ほな
好奇心が旺盛です。お若いです。
hirune
天災はどうにもならないけど
少しでも私たちで役に立ちたいです