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第30話 好きを形に

  • 2017.04.10
  • 858
  • 4

黒田 悟志



先日ドリップセミナーに、2人の男子が参加してくれました。将来に悩む若干二十歳の双子!です。
普段ドリップする時にどんな道具を使っているのか尋ねたところ、ドリップケトルを持ってないので、緑茶を煎れる急須で代用していると、ちょっと気恥ずかしそうに答えてくれました。急須って案外細くお湯を注せるので、実はケトルの代用品としては大正解です。
でも、やはりちゃんとしたケトルは欲しいそうなので、いつかお気に入りのものを手に入れて、美味しいコーヒーを淹れてもらいたいな、と思いました。
という訳で、今回はドリップケトルについてのお話を。
月兎印のホーローケトル。よく見かけるホーローの代表的なタイプです。
かわいいのう。
まずは素材。ホーロー、銅、ステンレスなどが一般的ですよね。ホーローは、金属をガラスコーティングしたもので、臭いが付きにくい半面、衝撃に弱く、取り扱いに注意が必要です。でも丸みを帯びた独特の形状は可愛らしく、人気があります。
銅製はお湯をまろやかにする効果があると言われ、熱伝導率も高いので早く沸かせます。ただ経年変化でくすんでいき、緑青と呼ばれる緑色の錆びが出る事もあります。なので、僕のオススメは丈夫で扱い易いステンレスです。また最近はドリップに適した電気ケトルも増えてきましたね。
右側のハリオのケトルなら中央の段まで、左側のカリタなら
メーカーロゴの刻印の高さまでが実用容量です。
次に大きさ。普段1~2杯しか淹れないのなら、700ml程度のものが使い易いです。大き過ぎると少量のドリップが難しく、重たいので扱いにくいです。コーヒー器具は「大は小を兼ねない」と言えます。
ちなみにドリップケトルには、「満水容量」と「実用容量」という二つの容量があるのをご存知ですか?今挙げた700mlとは満水容量です。でも実際に使用する際は、満水の70%が上限。この場合は約500mlです。それ以上入れると僅かな傾きでもお湯がドッと飛び出し、上手く扱えません。
そうそう、やかんなどで沸かした熱湯をドリップケトルに移し替えると、直接沸かすよりすぐ適温まで下がるのでオススメです。
よく見ると角度は様々。チンアナゴではありません。
素材、大きさの次はノズル。ドリップケトル一番の特徴が、この細く立ち上がるノズルですね。これが普通のやかんでは難しい細い湯量を実現し、また低い位置からの注湯も可能にしてくれます。お湯は低い所からの方が狙った位置に落としやすく、上手にドリップ出来ます。
中にはノズル先端が鶴口(つるくち)と呼ばれる、鶴のくちばしを模したようなケトルもあります。これはパイプを切り落とした様な形状より、更に繊細な湯量調節が出来ます。もっとも数杯分のコーヒーを一度に作る場合などは、ある程度太めにお湯を注げる方が淹れやすく、必ずしも細ければ良いというものでもありません。
一気に解説しましたが、参考になりましたでしょうか?どうか良い道具に巡り合えますよう。
最初に使ったケトル。ペンチでグリグリ形を変えて鶴口仕様に。
ちなみにホーローは改造出来ませんので。
飲食の世界に飛び込む以前の僕は安物のケトルしか持ってなくて、ペンチ等でノズルを無理やり鶴口に改造し、細く出せるようにした事があります。「今持てるものを駆使して解決する」のは、冒頭の急須の話もある意味同じです。 どちらも創意工夫を生み出しますが、時に、出来る範囲だけで小さくまとまってしまうリスクも潜んでいます。双子達と話していて思ったのは、今の知識や経験で手が届く将来を望むのではなく、若さ=時間というかけがえのない力が、想像だにしない高みに連れて行ってくれると信じて欲しいということ。 是非遠慮することなく、好き放題その未来を思い描いて欲しいと思いました。

望めば、叶います。いいから、やっちゃえ!


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黒田 悟志 Satoshi Kuroda

Day Drip Company 代表

スペシャルティコーヒーと呼ばれる良質なコーヒーの世界。その魅力を伝える為に、勤めていた自家焙煎店から独立し、独自のブランド【Day Drip Coffee】を立ち上げました。

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この記事へのコメント

2017.04.20 18:16
ぽぽしゅうさん>

改造は傷も付くし、失敗したら元に戻らないので、さすがにオススメは出来ません。ちゃんとしたケトルならそのままで大丈夫!お気に入りのケトルを見つけてみてください♪
くろださとし
2017.04.10 16:30
ドリップケトルが欲しくなりました。ペンチで形を変えられるんだなぁ…と自分のも変えてみようかとおもいます。
ぽぽしゅう