新型 特急ロマンスカー・GSE(70000 形)その2。

  • 2018.04.04
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みなさんこんにちは。
豊岡真澄です。
小田急電鉄の新型 特急ロマンスカー・GSE(70000 形)
もう乗られましたか?

大日方先生にご登場いただきました!
 

誰もが写真を撮ってしまう存在感。
(箱根湯本駅にて)
今回はインタビュー形式でロマンスカー・GSE(70000 形)について「鉄道学校訪問」のコラムでお世話になった、岩倉高校の大日方 樹(おびなた いつき)先生にお話を伺います。

元鉄道マンの大日方先生には
GSE がどんな風に見えるのでしょうか。
豊 岡: 大日方先生、いつもありがとうございます。
今日は GSE を試乗した感想と、みなさんに見てもらいたいポイントなどをお聞かせください。
大日方: ありがとうございます。
今日はよろしくお願いいたします。
大日方 樹先生プロフィール
岩倉高等学校 鉄道科教諭

1993年に岩倉高等学校運輸科を卒業後、相模鉄道で運転士として活躍する傍ら、教員免許を取得。
2009年に母校である岩倉高校に着任。
現在は進路指導部主任 鉄道模型部顧問としてご活躍されています。
T's コラムでは鉄道学校訪問 その1その2先生の願い番外編にご登場いただいています。
今日は GSE について教えていただきます。

豊 岡: 早速ですが、GSE を見た第一印象はいかがですか。
大日方: カッコよくて、これぞ “THE ODAKYU” という存在感ある車両ですよね。
デザインについても、これから旅が始まるワクワク感とスピード感を演出していると思います。
豊 岡: そうですよね。
どこから見てもロマンスカーという、オーラというか存在感がありますよね。
大日方: 実際に GSE を見るのは今日が初めてですが、RSE(20000 形)の設計によく似ていると思いました。

2012 年に引退した RSE(20000)形
これに似ているのですか?先生。
豊 岡: ええええ!
展望席のある車両ではなくて、RSE ですか?
大日方: そうです。
少し変わった見方ではありますが GSE は箱根湯本に 7 両編成のまま入線できる貴重なロマンスカーなのです。
EXE、MSE、EXEαは 10 両編成でも走れるのですが、箱根湯本駅のホームの長さが短いので、小田原駅で切り離しをして 6 両編成になります。
7 両編成のまま箱根登山線に入れるのは、GSE と・・・
豊 岡: なるほど!
それが 2012 年に引退した RSE というわけなのですね。
大日方: そうなんです!今は富士急で第二の人生を歩んでいますよね。

画面左から GSE(70000)形、MSE(60000)形、VSE(5000)形、EXEα(30000)形、EXE(30000)形、LSE(7000)形
画像提供:小田急電鉄
大日方: では少し難しい説明行きますよ。
展望席のあるロマンスカーは今までずっと連結器の間に台車がある“連接台車”を採用しているのはご存知ですよね。
豊 岡: もちろんです!!

ロマンスカーにおける連接台車の例(赤丸部分)
小田急ロマンスカーVSE 主要諸元表より抜粋
大日方: 車両の長さがどれくらい違うかと言いますと、これくらいです。
連接台車の車両はカーブをスムーズに通過できるメリットがあるのですが、逆に 1 両の長さが短くなってしまい、居住空間が狭くなるデメリットもあります。
どの車両も編成の長さは145m ぐらいなのですが、GSE が 7 両、VSE が 10 両、 LSE が 11 両編成なのは、そのせいなのです。
ちなみに、最新の連接車である VSE と GSE を図で比べると、長さの違いがよくわかります。
どれくらい違うかというと、こんな感じです。

小田急ロマンスカーGSE、VSE 各主要諸元表より抜粋
豊 岡: なんとなくは知っていましたが、改めて GSE の中間車の図面を見ると、とても大きく見えますね。
大日方: 中間車の長さが6.2m だと、見た目もかなり違いますよね。
GSE の先頭車は歴代のロマンスカーでもっとも長い21.3m。
長い車両がカーブを通過する能力は連接台車にかないませんが、 GSE には車両の揺れを防止するための新しい装置が導入されています。
通勤車や EXE、MSE の長さが約20m ということを考えると、広い感じがしますよね。

走行中の展望席

荷棚のない先頭車。後方にいても、広く感じます。
写真提供:小田急電鉄

車内は本当に静かで乗り心地もいいです
大日方: あともうひとつ。
GSE は LSE や VSE よりもドアの数が少ないということにも気づきました。
豊 岡: ドアの数が少ない???

黄色は乗降用のドア 小田急電鉄HP「ロマンスカー座席表」より抜粋
大日方: そうです。
GSE は他の展望特急と比較すると両数は少ないのですが、編成の長さは同じという特徴を持っています。
両数が少ない分、乗降用のドアも、通路も、車両同士の壁も必要なくなるので、荷物スペースや多目的室があるのだと思います。
GSE は 7 両編成という条件を最大限に生かした「考え抜かれたロマンスカー」 という気がします。
豊 岡: なるほど!



豊 岡: 他にはどんなところがありますか。
大日方: 専門的な話だけでなく、一般的な見方でお話をすると、
とにかく乗り心地が良くて、車体がしっかりしている印象です。
加速もスーッと伸びてゆく感じで、頼もしい気がします。
この解説はまた別の機会に(笑)
豊 岡: ありがとうございます。
締めくくりに、もし学校の生徒さんに GSE を見学してもらうとしたら、どんなところを見てもらいたいですか。
大日方: なぜ GSE の車体が赤なのだろう?とか、車輪が小さく見えるのはなぜか?など、色々と観察しているうちに疑問がたくさん出てくると思います。
情報に触れるだけではなく、見る、調べる、考えるなど、疑問にちゃんと向き合って楽しみながら、様々なことを自分の力で調べ、仲間と議論して欲しいですね。
GSE は、本当に隅々まで考え抜かれたロマンスカーだと思います。
あと、やっぱかっこいいですよね。
こういう企画があったらまた呼んでください。
豊 岡: もちろんです!ぜひ!


左 「頭が写るのでちょっとだけ隠れてください〜!」のひと声で、みんなでしゃがんだ貴重なオフショット。
右 この日は試乗会の表示。他社のカメラマンさんたちと声をかけあいながら和気あいあいとした中での取材でした。
梅ヶ丘駅にて



左 GSE の車内では、Wi-Fi が無料で使えます。背もたれのところに説明が書いてあって便利!
右・下 車内限定で展望映像がリアルタイムで見られます。これなら子供達も大喜び。
携帯電話やタブレットを利用すれば、展望席以外の場所でも楽しめます。

<子供たちと GSE>
別日程で子供達と一緒に GSE の試乗をさせていただきました。
ピカピカの車体に長男も長女も大興奮!


左 車内はまだ飲食禁止なので、この日は空のボトルで撮影しました(笑)
右 長女は最近、カメラに興味が出てきたみたいです。
唐木田にて



左 意気揚々と乗車
中 長女は「ママのまね〜」なのだそうです。そういえば前回展望席でこんな写真撮りました(笑)
右 親子揃って見るところは同じです(笑) ※許可を得て撮影
取材協力 小田急電鉄株式会社
岩倉高等学校

次回はスペシャルリレーコラム「スイーツ」のお話です。
蓮池陽子さんのコラムで紹介されているレシピで我が家も早速作ってみます。

蓮池さーん。
バトンいただきました!
春は料理シリーズがつづきます。
次回もどうぞお楽しみに。


この記事へのコメント

りょう

乗ってみたい!

ぽんで

ロマンスカーに乗ってみたくなりました

ほな

癒し列車です。

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